トップ
>
枝折
>
しおり
ふりがな文庫
“
枝折
(
しおり
)” の例文
枝折
(
しおり
)
峠から北又の谷に下り込んだ石滝橋の附近から西望すると、宛として
上河内
(
かみこうち
)
の渓谷から眉に迫る大山岳を
瞻仰
(
せんぎょう
)
するの観がある。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
彼の机の上には比較的大きな洋書が一冊
載
(
の
)
せてあった。彼は坐るなりそれを開いて
枝折
(
しおり
)
の
挿
(
はさ
)
んである
頁
(
ページ
)
を
目標
(
めあて
)
にそこから読みにかかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、一
見
(
けん
)
ただの山家にすぎない垣の
枝折
(
しおり
)
を指さしたが、内には人の気配もなく、そこから呼んでも叩いてみても、おうという
答
(
いら
)
えはなかった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは節子が日頃大切にして彼女の
肌身
(
はだみ
)
につけていた
半襟
(
はんえり
)
だ。岸本は
枝折
(
しおり
)
代りに書籍の中に
挾
(
はさ
)
んで置いたその女らしい贈物をも納ってしまった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
白糸が
佇
(
たたず
)
みたるは、その裏口の
枝折
(
しおり
)
門の前なるが、いかにして忘れたりけむ、戸を
鎖
(
さ
)
さでありければ、渠が
靠
(
もた
)
るるとともに戸はおのずから内に
啓
(
ひら
)
きて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
道すがら
枝折
(
しおり
)
々々と
折
(
お
)
り
柴
(
しば
)
はわが身
見棄
(
みす
)
てて帰る子のため
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その時に、玄関は開かず、中庭の
枝折
(
しおり
)
が内からあいて
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そう、でもいつでも机の上に乗っていて、
枝折
(
しおり
)
が
挟
(
はさ
)
んであるから、お読みになるのかと思って入れといたのよ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母の看護のかたわら節子が病院で夜を送る時の心やりと見え、ルウソオの「懺悔」の訳本なぞが読みさしの
枝折
(
しおり
)
の入ったままその戸棚の上に置いてあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
其時大明神が現れて木の枝を折って路しるべとしたので、今もそこを明神峠又は
枝折
(
しおり
)
峠と呼んでいる。
尾瀬の昔と今
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
「へんな武者がお二人、
枝折
(
しおり
)
から庭の方へ、黙って、いきなり通って行かしゃりましたぞえ」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
路はその雑木の中に出つ
入
(
い
)
りつ、糸を引いて
枝折
(
しおり
)
にした形に入る……赤土の
隙間
(
すきま
)
なく、
凹
(
くぼみ
)
に蔭ある、樹の
下闇
(
したやみ
)
の
鰭爪
(
ひづめ
)
の跡、馬は節々通うらしいが、処がら、
竜
(
たつ
)
の
鱗
(
うろこ
)
を踏むと思えば
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「誰か……
枝折
(
しおり
)
をたたいておるが」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
枝
常用漢字
小5
部首:⽊
8画
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“枝折”で始まる語句
枝折戸
枝折門
枝折形