まっ)” の例文
おいおいまっつぁん、はっきりしなよ。おいらがかわものじゃァねえ。世間せけんやつらがかわってるんだ。それが証拠しょうこにゃ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
中屋なかやまっつあんなどはどうだらうといへば、兼吉はさびしくほほと笑ひ、あんまり未練がなさ過ぎるか知れませねど、腹にあるだけ言つてしまひたいのは私のくせ
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
鈴代さんが仲間に入ってくれりゃ、野郎二人きりよりずっと景気が好くなる。なアまっちゃん。
どうせそのたんなら、あからさまに、一から十まではなししておくれ。相手あいてかないうちは、気の毒だがまっつぁん、ここは滅多めったうごかしゃァしないよ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
いつとなく出来た仲だとやら、そのうえまっつあんよりはさばけてゐるやうでも、あの生真面目きまじめさ加減では覚束おぼつかない、どうやら常談じょうだんらしくもないお前の返詞へんじがおれの腹に落ち兼ねる
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「いったい、そのおせんの情人いろというのは、何者なにものなんだか、まっつぁん、はっきりあたしにおしえておくれ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)