朝霜あさしも)” の例文
光吉こうきちの学校で拝賀式はいがしきがおこなわれている時刻じこくに、母は校舎こうしゃのすぐうらにあるみどりおか朝霜あさしもをふんで、そこにたたずんでいた。まどガラスごしに、式場しきじょうのありさまを見まもっているのだ。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
行暮ゆきくれて一夜ひとよ宿やどうれしさや、あはかしさへたまて、天井てんじやうすゝりうごとく、破衾やれぶすま鳳凰ほうわうつばさなるべし。ゆめめて絳欄碧軒かうらんへきけんなし。芭蕉ばせをほねいはほごとく、朝霜あさしもけるいけおもに、鴛鴦ゑんあうねむりこまやかなるのみ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)