明取あかりと)” の例文
其處は煙出しと明取あかりとりになる。だからして形を描いて見ると斯ういふ風になる(この時圖を描く)。斯ういふ風に圓くして、此處だけが穴があいて居る。
元時代の蒙古人 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
とじりりと膝を寄せて、その時、さっと薄桃色のまぶたうるんだ、冷たい顔が、夜の風にそよぐばかり、しとねくまおもかげ立つのを、縁から明取あかりとりの月影に透かした酒井が
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
西に明取あかりとりの小窓がある。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ひさしはづれに、階下した住居すまひの八でふ縁前えんさき二坪ふたつぼらぬ明取あかりとりの小庭こには竹垣たけがきひとへだてたばかり、うら附着くツついた一けん二階家にかいや二階にかいおな肱掛窓ひぢかけまどが、みなみけて、此方こなたとはむきちがへて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)