撲殺うちころ)” の例文
なんぢおとにもきつらん、白山はくさん狩倉かりくらに、大熊おほくま撲殺うちころした黒坂備中くろさかびつちうはういま自分じぶんちからためさん、いざふれなんぢ力競ちからくらべをしてやうか。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「奥様、堂々たる男子が狐一匹。知れたものです。先生のお帰りまでに、きっと撲殺うちころしてお目にかけます。」
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
其他そのた全身が美しい翡翠かはせみ色をして細やかに甚だしく長い青蛇、支那人が二人掛りで容易に撲殺うちころし好んでその肉を喰ふと云ふ馬来マレイの大蛇バイソン、蝨斯ばつた科の虫で身長二寸五分ばか
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
いはれ無く撲殺うちころし村方を逐轉ちくてんして江戸へ出小川町竹田長生院方へ奉公に住込すみこみ奉公中竊鼠々々こそ/\物をぬすため其後麹町へ醫業を開き一時僥倖さいはひを得ると雖もたちま病家びやうかも無なりしより惡漢者しれものあつめて博奕宿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よしやこのまま撲殺うちころすとも、随うべくも見えざれば、得三ほとんど責倦せめあぐみて、腕をさすりてしもとめつ。老婆はお藤を突放せば、身を支うべき気力もせて、はたとたおれて正体無し。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)