抱込かゝへこ)” の例文
うなじからかたおもふあたり、ビクツと手応てごたへがある、ふつと、やはらかかるく、つゝんで抱込かゝへこむねへ、たをやかさと重量おもみかゝるのに、アツとおもつて、こしをつく。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
徳三郎はあわてゝその瓶を抱込かゝへこむと、勝造を拂ひ退けて屹となりました。理の當然でもあり、大店おほだなの支配人の權力で斯う言はれると、叔父でも親類でも、口のきゝやうがありません。
木尻座きじりざむしろに、ゆたかに、かどのある小判形こばんがたにこしらへてんであつたもちを、一枚いちまい、もろ前脚まへあし抱込かゝへこむと、ひよいとかへして、あたませて、ひとかるうねつて、びざまにもとの障子しやうじあなえる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)