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うちあ
ふりがな文庫
“
打開
(
うちあ
)” の例文
打開
(
うちあ
)
けて云うと、恥しいことだけれど、私は、静子の夫の小山田六郎氏が、年も静子よりは
余程
(
よほど
)
とっていた上に、その年よりも老けて見える方で
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「一向拙者には思案も御座らぬが——
打開
(
うちあ
)
けて申すと、寝ては夢、さめては
現
(
うつつ
)
と申し
度
(
た
)
いが、あの方を夢にさえ見られぬ苦しさを、唯悶々として過して居る有様で御座るよ」
奇談クラブ〔戦後版〕:04 枕の妖異
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「検事殿、検事殿、あのラナイユという奴はやはり真犯人でしたよ。彼はそのことを死刑執行の日に告白しました。あの日斬首台の下で私を抱擁したときに残らず
打開
(
うちあ
)
けたのです」
自責
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「
可
(
い
)
いじゃないか、その容体を聞かせたまえ、
医師
(
いしゃ
)
には秘密を
打開
(
うちあ
)
けて
可
(
い
)
いもんだ。」
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他
(
ひと
)
から内証を
打開
(
うちあ
)
けられた時ほど、
是方
(
こっち
)
の弱身になることはありません。思いつめた御心から
掻口説
(
かきくど
)
かれて見れば、
終
(
しまい
)
には私もあわれになりまして、
染々
(
しみじみ
)
御身上
(
おみのうえ
)
を思遣りながら
言慰
(
いいなぐさ
)
めて見ました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
それに続いて、槌野君、園田氏、熊浦氏の順序で、九月二十三日の午後零時半から四時半頃までの行動を
打開
(
うちあ
)
け合った。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
実は嘘を申しましたので、村の桶屋から三百フランの金を盗ったのは、このわたしでございます……恰度ジュールが復活祭の
休暇
(
やすみ
)
で帰っていたものですから、
彼
(
あれ
)
にそのことを
打開
(
うちあ
)
けますと
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
私は初代の家を訪ねて、彼女のやさしい養母とも話をした。そして、間もなく、私も初代も、銘々の母親に、私達の意中を
打開
(
うちあ
)
ける様にさえなった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一
(
いっ
)
そのこと誰かにすっかり
打開
(
うちあ
)
けて、相談して見た方がよくはないかしら、などとも思われるのでありました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
子供の行末も無論案じられたし、それに、恥しくて弟などには
打開
(
うちあ
)
けられもしないけれど、彼には、そんなにされても、まだおせいをあきらめ
兼
(
かね
)
る所があった。
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼が十年という長い
年月
(
としつき
)
、切ない恋を
打開
(
うちあ
)
けないでいたのも、この様な犯罪事件のかげに隠れて、彼女の弱身につけ込んで、その思いをとげようとしたことも
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼が彼女に恋を
打開
(
うちあ
)
けるまでには、たった三度の対面で充分だったことが、よくそれを語っている。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
まだ父にも
打開
(
うちあ
)
けていない不安があるのです。母も知りません。母は二三日前から別荘に来ていますが、父の世話で手一杯なものですから、僕の顔色など気にしている余裕がないのです。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「有難う、よくほんとうのことを
打開
(
うちあ
)
けて呉れた」最後に明智が云うのでした。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
恐らくこれは栗原さんの取って置きの話の
種
(
たね
)
で、彼は誰にでも、そうした
打開
(
うちあ
)
け話をしても
差支
(
さしつかえ
)
のない
間柄
(
あいだがら
)
になると、
待兼
(
まちか
)
ねた様に、それを持出すのでありましょうが、私もある晩のこと
モノグラム
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いかな主人でも、それを
打開
(
うちあ
)
けさえすれば、納得するに相違ないのですから。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「今更いっても無駄だけれど、君は一体、そんな恐しい事柄を、他人のおれに
打開
(
うちあ
)
けてもいいのかい。最初はおれの方から聞き出したのだが、この頃では、君の話を聞いていると恐しくなる」
疑惑
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
が、それには深い
訳
(
わけ
)
があるのです。まず私の
打開
(
うちあ
)
け話しを、終りまで御聞き取り下さい。そして、私が今まで、どんなにつらい
辛抱
(
しんぼう
)
をして沈黙を守っていたかを御諒察が願いたいのであります。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
自分の恋の
打開
(
うちあ
)
け話を、書物にして衆人の目にさらすというのは、小説家でない私には、妙に恥しく、苦痛でさえあるのだが、どう考えて見ても、それを書かないでは、物語の
筋道
(
すじみち
)
を失うので
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
どこへ行くのかって、聞いて見ても、ちっとも云いません。母親が心配して、兄のふさいでいる訳を、手を変え品を変え尋ねても、少しも
打開
(
うちあ
)
けません。そんなことが一月程も続いたのですよ。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もうどんなことがあっても真実を
打開
(
うちあ
)
ける気がしないのであった。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
さも一大事を
打開
(
うちあ
)
けるのだといわぬばかりに
白昼夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
波越警部は正直に
打開
(
うちあ
)
ける外はなかった。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“打開”の意味
《名詞》
打開(だかい)
行き詰まった状態などについてあらゆる方法を尽くし、解決の糸口を見出すこと。
(出典:Wiktionary)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
開
常用漢字
小3
部首:⾨
12画
“打開”で始まる語句
打開墾
打開話