トップ
>
手鍋
>
てなべ
ふりがな文庫
“
手鍋
(
てなべ
)” の例文
今しがた、この女が、細道をすれ違った時、
蕈
(
きのこ
)
に敷いた葉を残した
笊
(
ざる
)
を片手に、
行
(
ゆ
)
く姿に、ふとその
手鍋
(
てなべ
)
提げた下界の天女の
俤
(
おもかげ
)
を認めたのである。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幾百人かのそれらの移住者の中には「どてら」に
脚絆
(
きゃはん
)
麻裏穿
(
あさうらば
)
きという風俗のものがあり、
手鍋
(
てなべ
)
を
提
(
さ
)
げたものがあり、若い労働者の細君らしい人達まで
幾人
(
いくたり
)
となくその中に混っていたことを思出した。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「待ってました!
手鍋
(
てなべ
)
さげてもの
意気
(
いき
)
で、ひとつ願いやすぜ」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
……あの戸口には、羽衣を奪われた素裸の天女が、
手鍋
(
てなべ
)
を提げて、その男のために苦労しそうにさえ思われた。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手鍋
(
てなべ
)
提
(
さ
)
ぐる
意氣
(
いき
)
に
激
(
げき
)
して、
所帶
(
しよたい
)
の
稽古
(
けいこ
)
に
白魚
(
しらうを
)
の
魥
(
めざし
)
造
(
つく
)
る
也
(
なり
)
。
然
(
しか
)
も
目
(
め
)
を
刺
(
さ
)
すがいぢらしとて、ぬきとむるは
尾
(
を
)
なるを
見
(
み
)
よ。
絲
(
いと
)
の
色
(
いろ
)
も、こぼれかゝる
袖口
(
そでくち
)
も、
繪
(
ゑ
)
の
篝火
(
かゞりび
)
に
似
(
に
)
たるかな。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
浜で
手鍋
(
てなべ
)
の時なんかは、調子に乗って
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
鍋
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭