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手懸
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てがかり
ふりがな文庫
“
手懸
(
てがかり
)” の例文
御存じの烈しい
流
(
ながれ
)
で、
棹
(
さお
)
の立つ瀬はないですから、綱は
二条
(
ふたすじ
)
、
染物
(
そめもの
)
をしんし
張
(
ばり
)
にしたように
隙間
(
すきま
)
なく
手懸
(
てがかり
)
が出来ている。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斯
(
こ
)
うして置けば
手懸
(
てがかり
)
も付くまいと、今度は
其
(
その
)
死骸を
引抱
(
ひっかか
)
えて行って、一
町
(
ちょう
)
ばかり先の小川の
畔
(
ほとり
)
へ捨てて来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そのリンネはかなり急であるが、
手懸
(
てがかり
)
の多いガッチリとした岩なので、緊張しながらも愉快にはかどる。
一ノ倉沢正面の登攀
(新字新仮名)
/
小川登喜男
(著)
「どうもこの
紙片
(
かみきれ
)
は何の
手懸
(
てがかり
)
にもなりそうにありません。」と判事はいった。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
頼まれ
毎度
(
まいど
)
頼み置し事有しが
其手紙
(
そのてがみ
)
は何方へ屆けしやと尋ねけるに
亭主
(
ていしゆ
)
答へて私し方は
道端
(
みちばた
)
の見世故在々へ頼まれる手紙は日々二三十
本
(
ぽん
)
程
(
ほど
)
も有ば一々に覺え申さず
殊
(
こと
)
に二十二三年跡の事なれば
猶更
(
なほさら
)
存
(
ぞん
)
じ申さずと
答
(
こた
)
へけるにいよ/\澤の井の
宿所
(
しゆくしよ
)
の
手懸
(
てがかり
)
なく是に依て次右衞門三五郎の兩人は
色
(
いろ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
座敷内は云うに及ばず、天井裏まで取調べたけれども、更にこれぞと云う
手懸
(
てがかり
)
もなく、また庭の内には狐狸の住家らしい穴も見当らぬので、ただ不思議不思議と云い暮して日を経る中に
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
身分の
手懸
(
てがかり
)
を知るために、懐中物も
検
(
しら
)
べねばならず、
或
(
あるい
)
はいかなる迫害を途上受けたかも計られないから、身内を検するには、着物も脱がさなければならぬ、もちろん帯も解かんけりゃ
不可
(
いけな
)
い。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭