トップ
>
我儘者
>
わがままもの
ふりがな文庫
“
我儘者
(
わがままもの
)” の例文
「どう致しまして、あの通りの
我儘者
(
わがままもの
)
でげすから、おかまい申すこともなにもできやしません、まあ一服おつけなさいまし」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とにかく私も
我儘者
(
わがままもの
)
でかなり気むつかしやだが、この私を一度も怒らせぬところは不思議に庄亮えらいところがある。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
父親もそれを気にして、お君はあの通りの
我儘者
(
わがままもの
)
だから家に置いたところで、お前とうまくいくわけはあるまい。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
神はそんな理不尽な
我儘者
(
わがままもの
)
ではない。かえってあたうだけ自然界の法則の基礎の上に奇蹟を行ない給う。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
世の中の
辛酸
(
しんさん
)
も、道理も理解することの出来ぬ、公方というような、最大特権階級の
我儘者
(
わがままもの
)
の、愛憎が、どのように変化の
甚
(
はなは
)
だしいものであるかは説明を待たない。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
姪は
我儘者
(
わがままもの
)
で、彼女の好きなことしかした
例
(
ためし
)
がない、もともと彼女は極くきゃしゃに生れついたもので、彼女の母親も父親もあれまでに彼女が育つとは考えなかったほどである
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自体拙者は気に入らないので、
頻
(
しき
)
りと止めてみたが、もともと強情我慢な
母親
(
おふくろ
)
、
妹
(
いもと
)
は
我儘者
(
わがままもの
)
、母に甘やかされて育てられ、
三絃
(
しゃみ
)
まで仕込まれて自堕落者に首尾よく成りおおせた女。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それから大学生は、彼女がどんな意地悪で
我儘者
(
わがままもの
)
であるかを、こまごまと話し出した。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
起きると云うのに、なお起きろと責めるのは気に食わんものだ。主人のごとき
我儘者
(
わがままもの
)
にはなお気に食わん。ここにおいてか主人は今まで頭から
被
(
かぶ
)
っていた夜着を一度に
跳
(
は
)
ねのけた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
狭山さん、私は今更お礼を言ふと云ふのも、異な者だけれど、貴方は長い月日の間、私のやうなこんな
不束者
(
ふつつかもの
)
の
我儘者
(
わがままもの
)
を、能くも
愛相
(
あいそ
)
を尽かさずに、深切に、世話をして下すつた。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
両親も兄弟も無い有名な
我儘者
(
わがままもの
)
で、同時に小樽から函館へかけた、社交界の女王と呼ばれていた、
龍代
(
たつよ
)
さんと称する二十三歳になる令嬢が、小母さんと称する、中年の婦人を二三人お供に連れて
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
するとその返辞がふるってらあ、いや別に
何処
(
どこ
)
が悪いと申すほどでもござらぬが、ちと
我儘者
(
わがままもの
)
でな、まあ朝寝がしたいのでござろうよ、兎角どうも女は養い難しでござる、あははははは——てえ始末だ
おもかげ抄
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
我儘者
(
わがままもの
)
にして躍らせたりしたであろうと思われる。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これ
我儘者
(
わがままもの
)
の花桐さん。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
御尤
(
ごもっと
)
もでございます、なにぶん行届かない
我儘者
(
わがままもの
)
でございますから、この後ともによろしく。どうかまあ、こちらへお上りくださいましな」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
商才のある駒三郎は甥と名乗って番頭になり、人相のよくない元助は下男に、文筆のある正吉は
我儘者
(
わがままもの
)
で友達ということになりましたが、二十六年間三人の
搾
(
しぼ
)
った額は容易なものではありません。
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところが、何しろ二人とも、野放図もない
我儘者
(
わがままもの
)
だったから、
何処
(
どこ
)
にも永く尻が落着く筈がねえ。
仕舞
(
しまい
)
には、流れ流れて奥州街道を、越ガ谷の方まで、見世物の中にまじって落ちて行きさえしたのだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「せんだって
中
(
じゅう
)
は
欽吾
(
きんご
)
がまた、いろいろ御厄介になりまして、
御蔭
(
おかげ
)
様で方々見物させていただいたと申して大変喜んでおります。まことにあの通の
我儘者
(
わがままもの
)
でございますから一さんもさぞ御迷惑でございましたろう」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いや、あの通りの
我儘者
(
わがままもの
)
だから、お前さんのような、しっかりした者が付いていてくれると、わしも安心じゃ」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「茂吉は気の弱い男だが、物持ちの一人っ子らしい
我儘者
(
わがままもの
)
で、ツイ三次に乗せられて、大それた事をたくらみ、親娘二人を殺したが、あとで、居ても立ってもいられないほど後悔したに違いない」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その内部に
我儘者
(
わがままもの
)
がいたら、それを誰がどう処分しますか
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
我
常用漢字
小6
部首:⼽
7画
儘
漢検準1級
部首:⼈
16画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“我儘”で始まる語句
我儘
我儘娘
我儘育
我儘三昧
我儘放埒
我儘息子達