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惡相
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わるさう
當日は
白い
狩衣の
神官が
獨で
氏子の
總代といふのが四五
人、
極りの
惡相な
容子で
後へ
跟て
馬場先を
進んで
行つた。一
人は
農具の
箕を
持つて
居る。
彼は
蕎麥を
攫むのを
止めておつたの
方を
向いた。
彼は
蹙めて
居た
顏に
少し
極りの
惡相な一
種の
表情を
浮べた。
卯平はむつゝりとしてそれを
受けた。
平生行きつけた
家なので
勘次は
極り
惡相に
坐つた。お
品は
不斷衣の
儘襷掛で
大儀相な
體躯を
動かして
居て
勘次の
側へは
坐らなかつた。