めぐみ)” の例文
この月の日課なる馬太伝マタイでんうちには神の王国に就きて重要なる教へ多くあり。しゆのつとめは実にさかえあるものにして、之を守るものは、尤もさいはひにして尤もめぐみあるものとす。
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
救はれた人は『めぐみの座』に出て来いと聴衆に——二三十人しか居らなかつた——云うたが、二三人のものはつか/\と出て行つたが、栄一にはその勇気が欲しかつた。
賢弟とわかれて国にくだりしが、国人くにびと大かた経久がいきほひにきて、塩冶えんやめぐみかへりみるものなし。従弟いとこなる赤穴あかな丹治、富田の城にあるをとむらひしに、利害を説きて吾を経久にまみえしむ。
友みな佛のめぐみるに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
勝四郎、翁が一四〇高齢よはひをことぶきて、次にみやこに行きて心ならずもとどまりしより、前夜さきのよのあやしきまでをつばらにかたりて、翁がつかきて祭り給ふめぐみのかたじけなきを告げつつも涙とどめがたし。
めぐみの座に、来れや
是は雀部が妻の五六産所さとなりければ、五七ねんごろにたのみけるに、此の人見捨てずしていたはりつも、医をむかへて薬の事もはらなりし。やや五八ここちすずしくなりぬれば、あつめぐみ五九かたじけなうす。