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恁麼
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こんな
ふりがな文庫
“
恁麼
(
こんな
)” の例文
華やかな、晝を欺く街々の電燈は、
怎
(
どう
)
しても人間の心を浮氣にする。情死と決心した男女が
恁麼
(
こんな
)
街を歩くと、屹度其企てを擲つて驅落をする事にする。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
(それでは
恁麼
(
こんな
)
ものでこすりましては
柔
(
やはらか
)
いお
肌
(
はだ
)
が
擦剥
(
すりむ
)
けませう、)といふと
手
(
て
)
が
綿
(
わた
)
のやうに
障
(
さは
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
瞬きをしてゐる間に、誰かが自分を掻浚つて來て
恁麼
(
こんな
)
曠野に捨てて行つたのではないかと思はれる。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其
(
そ
)
の
瀧
(
たき
)
が
荒
(
あ
)
れましたと
申
(
まを
)
しまして
丁度
(
ちやうど
)
今
(
いま
)
から十三
年
(
ねん
)
前
(
まへ
)
、
可恐
(
おそろ
)
しい
洪水
(
おほみづ
)
がございました、
恁麼
(
こんな
)
高
(
たか
)
いところまで
川
(
かは
)
の
底
(
そこ
)
になりましてね、
麓
(
ふもと
)
の
村
(
むら
)
も
山
(
やま
)
の
家
(
いへ
)
も
残
(
のこ
)
らず
流
(
なが
)
れて
了
(
しま
)
ひました。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
貴僧
(
あなた
)
、お
傍
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
て
汗臭
(
あせくさ
)
うはござんせぬかい
飛
(
とん
)
だ
暑
(
あつ
)
がりなんでございますから、
恁
(
か
)
うやつて
居
(
を
)
りましても
恁麼
(
こんな
)
でございますよ。)といふ
胸
(
むね
)
にある
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つたのを、
慌
(
あは
)
てゝ
放
(
はな
)
して
棒
(
ぼう
)
のやうに
立
(
た
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
私は生れてから、
恁麼
(
こんな
)
酷い目に逢つた事は滅多にない!
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恁
漢検1級
部首:⼼
10画
麼
漢検1級
部首:⿇
14画
“恁”で始まる語句
恁
恁麽
恁云
恁許
恁々
恁懸
恁様
恁那