-
トップ
>
-
念佛衆
>
-
ねんぶつしゆう
念佛衆の
使つて
居る
鍋や
土瓶や
茶碗が
只ごた/\と
投げ
出されてあつた。
臺つきの
手ランプは
近所から
借りて
來たのであつた。
麁朶の
焔が
手ランプに
光を
添へて
居た。
それから
庭に
聚つた
子供等の
前に
其の
飯つぎや
重箱の
供物が
分與された。
念佛衆はそれから
更に
酒を
飮んで
各自に
重箱や
飯つぎを
箸でつゝいて
近頃にない
口腹の
慾を
充たしめた。
卯平は
村落に
歸つてから
往年の
伴侶の
間へ
再び
加つて
念佛衆の一
人になつた。