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御斟酌
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ごしんしゃく
ふりがな文庫
“
御斟酌
(
ごしんしゃく
)” の例文
「どうかまあ、そんな
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
には及びませんよ。手前は後から入らせて頂きますから。」と、チチコフが言うのである。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「あいや、こういう中、夜食の
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
などにはおよばん。それよりも、藤掛三河どのにお顔を拝借したいと、
憚
(
はばか
)
りながら、これへお呼びください」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右は意を尽さざるところ多けれども、これによりてわが心事の一端なりとも
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
下され候わんには
幸
(
さいわい
)
にこれあり候
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「なんの、なんの、そんな
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
には及びません」と探偵は、引いたカーテンを払いながら、愛想よく応酬した。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
すでに両者の関係やら目的を述べる際にも自然の勢で、
不知不識
(
しらずしらず
)
の間にこの問題に触れているのはもちろんでありますから、その辺は
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
の上御聞を願います。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
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それは
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
に及びません。いずれ満二ヵ年の中にはこのネパール国へもう一度私は参ります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
だから、どうぞわれわれには
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
なく、かまわずお続けください。いったいなんのご用です
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
ただし事皆世上には知られぬよう、臙脂屋のためにも此方のためにも、十二分に
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
あられい。ハテ、心地よい。木沢殿、事すでにすべて成就も同様、故管領御家再興も眼に見えてござるぞ。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すべて、いささかも
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
に及びません。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
の儀、柳生殿にも、御承知のうえで、先へ、道場へ通ってお待ちなされております。おさしつかえなくば」
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
推
(
お
)
して極端まで持って行った御話ですからその辺は
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
を願います
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ああいや、それは
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
がすぎるというものです。たとえ新将軍家のお耳に入ろうと何のおそれがございましょう。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それゆえにこそ強く大きく振舞えますものを、
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
では、却って、強右衛門
奴
(
め
)
が、臆病に相成って困りまする
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
謙信、そのほか連れ者も、みな北国そだちの歯の根達者、構えて、献立に骨抜きの
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
は要りもうさぬ。はははは……まずまず、御返辞は右の通りである。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
意外な
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
ではある。御主人たるあなたが、そのように仰せられては、半兵衛は何と御挨拶してよいやらわからぬ。——なぜ、半兵衛見えたかとは仰せ下さらぬか。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何の何の、
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
には及ばぬ。もとよりこのたびの
戦
(
いくさ
)
は、家康の
私心私謀
(
ししんしぼう
)
に出たものではおざらぬ。——お身たちとて、その発端の儀は、しかと、お分りであろうがの」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其方儀
(
そのほうぎ
)
、藩の御法を無視し、おのれ一個の我意をもって、弦之丞を逃がしたとは不都合
至極
(
しごく
)
、その上御前をおそれぬ暴言、死を
与
(
あと
)
うべきやつなれど、乱心であろうとありがたい
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
、即刻
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何の
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
ですか。主君を殺した逆臣に組する弓矢は忠興にはありません。——妻の
処置
(
しょち
)
は、良人たるわたくしの胸でします。そして、信長公の御無念をはらさんとする何人とも力を協せて、光秀を
日本名婦伝:細川ガラシヤ夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
受けるものかな。正成においても、まずはあの時申したことば以外に何も答えは持ちあわさん。
疾
(
と
)
う疾う、立ち去って、尊氏へ申されよ。好意は謝すが、正成のいまは、すこぶる本懐、なんの
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
にはおよび申さぬ、と
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんの、
御斟酌
(
ごしんしゃく
)
には」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
斟
漢検1級
部首:⽃
13画
酌
常用漢字
中学
部首:⾣
10画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂