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彈奏
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だんそう
折ふし
鵞鳥のやうな
聲で
唱ひ
出す
歌の
調べは
左迄妙手とも
思はれぬのに、
唱ふ
當人は
非常の
得色で、やがて
彈奏が
終ると
小鼻を
蠢かし、
孔雀のやうに
裳を
飜へして
席に
歸つた。
公
爵、男
爵、
老政客、天文學
博士、
實業家など、
藝苑では一時
的に中村時
藏や千
葉早智子なども
住んでゐたし、シロタやトドロヰッチ夫人のピアノ
彈奏を立ち聽きした事もあるし
私が
春枝夫人と
此席に
列つた
時には
丁度ある
年増の
獨逸婦人がピアノの
彈奏中であつたが、
此婦人は
極めて
驕慢なる
性質と
見えて、
彈奏の
間始終ピアノ
臺の
上から
聽集の
顏を
流盻に
見て