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引拂
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ひきはら
營み候へ
共彼地は至て
邊鄙なれば家業も
隙なり
夫故此度同所を
引拂ひ少々御
内談も致度事これありて
伯父上の
御許へ
態々遠路を
それ
故一
般の
子女のやうではなくおつぎの
心にも
男に
對する
恐怖の
幕を
無理に
引拂はれる
機會が
嘗て
一度も
與へられなかつた。おつぎは
往來を
行くとては
手拭の
被りやうにも
心を
配る
只の
女である。
勤む其節の口上には近々天一坊京都御見物の思召あれば
御上京遊ばすに付當表の御
旅館御
引拂ひ成べくに付此段お達しに及ぶとの
趣きなり夫と聞より大坂の
役人中は
疫病神を