平坦たひら)” の例文
かれ毎日まいにちのやうにおつぎをつれて、唐鍬たうぐはおこしたつちかたまり萬能まんのうたゝいてはほぐして平坦たひらにならさせつゝあつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
絶頂ぜつてう平坦たひらになし、馬の天険てんけんをたのみてこゝに住居し耕作かうさくをもしたるが、ほろびてのち其灵魂れいこんこゝにとゞまりて苗場なへば奇異きゐをもなすにやとおもへり。
かけず道は平坦たひら繩手なわてにてしかも下り目ゆゑ雨に拘はらずよく走る此邊は官林の松林ありの松虫に喰枯されて何百万本か新たに小松を植付け虫取役を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
其間およそ一里ばかり。尤も往きと帰りとでは、同じ一里が近く思はれるもので、北国街道の平坦たひらな長い道を独りてく/\やつて行くうちに、いつの間にか丑松は広濶ひろ/″\とした千曲川ちくまがはほとりへ出て来た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
絶頂ぜつてう平坦たひらになし、馬の天険てんけんをたのみてこゝに住居し耕作かうさくをもしたるが、ほろびてのち其灵魂れいこんこゝにとゞまりて苗場なへば奇異きゐをもなすにやとおもへり。
云ふ一体に新道には不平と見え馬も舊道行人ゆくひとも舊道なり只運送馬車のみ道は遠けれど平坦たひらゆゑ新道を驅けるとぞ此邊の屋作り皆な玄關搆へにていかめしく男も雪見袴ゆきみばかまとかいふものを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
藤蔓ふぢかつら笠にまとひ、樷竹しげるたけ身をかくし、石高くしてみちせまく、一歩も平坦たひらのみちをふまず。
見ざる眞に絶世の美人なり餅屋のはこれにぐと物覺え惡き一行なれど是は皆々領裏えりうらにでも書留て置きしやよく覺えてそれとなくこゝより荷物を包み直しえり掻き合せ蝙蝠傘かうもりがさに薄日をいとふ峠の上の平坦たひらなるを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
藤蔓ふぢかつら笠にまとひ、樷竹しげるたけ身をかくし、石高くしてみちせまく、一歩も平坦たひらのみちをふまず。
●そも/\茲谷このたには山桜多かりしゆゑ桜谷とよびけるを、地火あるをもつて四方四五十(六尺を歩といふ)をひらきて平坦たひらの地となし、地火をりて浴室よくしつとなし、人の遊ぶ所とせしとぞ。
●そも/\茲谷このたには山桜多かりしゆゑ桜谷とよびけるを、地火あるをもつて四方四五十(六尺を歩といふ)をひらきて平坦たひらの地となし、地火をりて浴室よくしつとなし、人の遊ぶ所とせしとぞ。