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常春藤
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きづた
ふりがな文庫
“
常春藤
(
きづた
)” の例文
そして窓のついてゐる家の壁一面に
常春藤
(
きづた
)
か何かの蔓類の植物が生ひ茂つて、ぎつしり絡みついてゐる爲め、窓は一層小さくなつてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
常春藤
(
きづた
)
の
簇
(
むらが
)
った塀の上には、火の光もささない彼の家が、ひっそりと星空に
聳
(
そび
)
えている。すると陳の心には、急に悲しさがこみ上げて来た。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
窓の沢山ある宏荘な宮殿をもった
市
(
まち
)
もなければ、邸内や、瀑布の轟きや絶え間なき水しぶきの中に生い茂る絵のような樹木や
常春藤
(
きづた
)
もなく
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
これに反してお庭の隅の
常春藤
(
きづた
)
に蔽われたバンガロー風の小舎には
燈火
(
ともしび
)
がアカアカと
灯
(
とも
)
って、しきりに人影が動いている。
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
陰氣な街々にはまだ白い布が張り𢌞され、その布の上には
常春藤
(
きづた
)
や、柊や、冬の
簇葉
(
むらは
)
や、花なぞが剌されてあつた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
▼ もっと見る
常春藤
(
きづた
)
が木の梢からのび上って見上げようとし、ところどころに咲く白百合は、キラキラ輝きながら手招きをする。
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
喧しく言ひ爭つて、やれ柊人形、やれ
常春藤
(
きづた
)
人形と、夫婦して自分の方に花を持たせようと言い張りあふ。骰子と骨牌の遊びは給仕頭の懷中を肥らせる。
駅伝馬車
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
その
城壘
(
じやうるゐ
)
たりしと寺觀たりしとを知らず。今の街道はその廣間を貫きて通ぜり。
側
(
かたへ
)
なる細徑を下れば、小房の
蜂窠
(
ほうくわ
)
の如きありて、
常春藤
(
きづた
)
と
石長生
(
はこねさう
)
とは其壁を掩ひ盡せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
居間からは
洋琴
(
ピアノ
)
の音が洩れたりレコードが奏でられたり、そして昼は庭の
常春藤
(
きづた
)
の陰に
卓子
(
テーブル
)
を
拵
(
しつら
)
えさせて、そこで食事を取っていたようであったが、かれこれちょうど二
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
わが窻は日向の
壁
(
かべ
)
の鍵の手を
常春藤
(
きづた
)
もみでて照りかへしつつ 書斎
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
常春藤
(
きづた
)
の冠をあみだにかぶり
陽気な客
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
常春藤
(
きづた
)
の葉5・27(夕)
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは言うまでもなく空色の部屋で、長椅子と橢円形のテーブルと、
常春藤
(
きづた
)
をからませた衝立まで具わっていた。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
が、ともかくもその姿が、女でない事だけは確かである。陳は思わず塀の
常春藤
(
きづた
)
を
掴
(
つか
)
んで、倒れかかる体を支えながら、苦しそうに切れ切れな声を洩らした。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
石は私の足の下から轉げ落ち、掴んだ
常春藤
(
きづた
)
の枝は切れ、赤ン坊は恐ろしがつて私の首にすがりついて危く私を
絞
(
し
)
め殺しさうになるのです。やつと頂上に來ました。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その一翼は明かに極めて古い時代のもので、どつしりした石の圓柱を持つた弓形張出窓には
常春藤
(
きづた
)
が這ひ纏はり、葉の茂みの間で小さな菱形の窓硝子が月影に煌めいた。
クリスマス・イーヴ
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
とある宏壮なる邸の奥深くへと
舁
(
かつ
)
ぎ入れられたのであったが、
常春藤
(
きづた
)
の絡み付いた
穹窿
(
アーチ
)
形の門、そして橄欖や糸杉の
聳
(
そび
)
えた並樹、芳香
馥郁
(
ふくいく
)
として万花繚乱たる花園の中を通り抜けて
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
わが窻は日向の
壁
(
かべ
)
の鍵の手を
常春藤
(
きづた
)
もみでて照りかへしつつ書齋
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
涯しもなく頭上はるかに巍々と聳え立つ巌を仰ぎ見ることもなければ、葡萄蔓や
常春藤
(
きづた
)
や、数知れぬ野薔薇のからみついた重畳たる
拱梁
(
アーチ
)
もなく、その
拱梁
(
アーチ
)
の間から
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
晩餐が報ぜられて間もなくわたし達の着いた饗應の室は樫材で造られてゐて、鏡板は蝋で光澤をだし、周圍の壁には家族の肖像が掛けてあつて、柊と
常春藤
(
きづた
)
で飾られゐた。
クリスマス・イーヴ
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
それは彼の家の
煉瓦塀
(
れんがべい
)
が、何歩か先に黒々と、現われて来たからばかりではない、その
常春藤
(
きづた
)
に
蔽
(
おお
)
われた、古風な塀の見えるあたりに、忍びやかな靴の音が、突然聞え出したからである。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
忍冬
(
すいかずら
)
や
常春藤
(
きづた
)
の
纏
(
まと
)
わり付いた
穹窿
(
アーチ
)
形の門があり、門をくぐると、荒れ果ててはいたが、花の一杯に乱れ咲いた前庭があり、その前庭には
赭熊百合
(
しゃぐまぐさ
)
や
白菖
(
マートル
)
や、
薄荷
(
はっか
)
や
麝香草
(
じゃこうそう
)
や、
薔薇
(
ばら
)
や
菫
(
すみれ
)
や
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
家はいずれもさまざまで大きなものではなかったが、富裕な貴族の別荘か山荘とでもいった風情に、
忍冬
(
すいかずら
)
や
常春藤
(
きづた
)
の
纏
(
まと
)
わりついた
穹窿
(
アーチ
)
形の門があり云々〉というところがありますでしょう。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
春
常用漢字
小2
部首:⽇
9画
藤
常用漢字
中学
部首:⾋
18画
“常春”で始まる語句
常春
常春島
常春籐