小膝こひざ)” の例文
今一いまひとつ、わたくしは松島海軍大佐かいぐんたいさなる姓名せいめいみゝにして、たちま小膝こひざをポンとたゝいたよ。讀者どくしや諸君しよくん! 松島海軍大佐まつしまかいぐんたいさとはたれであらう?
とうとう思い当ってお絹は小膝こひざを丁と打ちました。あの女はたしか忠作のところへ金を借りに来たことのある女である。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と壁の隅へ、自分のわきへ、小膝こひざを浮かして、さらりとって、片手で手巾ハンケチさばきながら
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平野ひらの三十郎ひとりだけが立ってゆく。と、脇坂甚内わきざかじんないすぐに小膝こひざをゆるがして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ややあッていそがわしく布巾を擲却ほうり出して小膝こひざを進ませ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
忽ち小膝こひざはた
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
(と小膝こひざうって)面白い。話しましょう。……が、さて談話というて、差当り——お茶代になるのじゃからって、長崎から強飯こわめしでもあるまいな。や、思出した。しかもこの越前えちぜんじゃ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じつうなんですよ。』と小膝こひざすゝめた。
と手強き謝絶に取附く島なく、老媼はいたこうじ果てしが、何思いけむ小膝こひざ
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)