安禄山あんろくざん)” の例文
玄宗皇帝が楊貴妃浴を出て鏡に対し一乳を露わすを捫弄もんろうして軟温新剥鶏頭肉というと、傍に安禄山あんろくざんが潤滑なお塞上ののごとしと答えた。
とう安禄山あんろくざんが乱をおこした時、張巡ちょうじゅん睢陽すいようを守って屈せず、城中の食尽きたので、彼はわが愛妾を殺して将士にましめ、城遂におちいって捕われたが
一行阿闍梨いちぎょうあじゃり、陛下万里に行幸して、聖祚せいそかぎりからんと奏したりしかば、心得がたきことをもうすよとおぼされしが、安禄山あんろくざんの乱起りて、天宝十五年しょくに入りたもうに及び
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
両の肩怒りてくびを没し、二重ふたえあぎと直ちに胸につづき、安禄山あんろくざん風の腹便々として、牛にも似たる太腿ふとももは行くに相擦あいすれつべし。顔色いろは思い切って赭黒あかぐろく、鼻太く、くちびる厚く、ひげ薄く、まゆも薄し。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
安禄山あんろくざんの叛乱に、兵車のわだちのもとに楊貴妃ようきひを失った漢皇かんおうが、のち貴妃を恋うのあまり、道士に命じて、魂魄をたずねさせ、道士はそれを、かみは碧落の極み、下は黄泉にいたるまでさがしもとめ、遂に
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唐の天宝の末に、安禄山あんろくざんが乱をおこして、潼関どうかんの守りも敗れた。都の人びとも四方へ散乱した。梨園りえん弟子ていしのうちに笛師ふえしがあって、これも都を落ちて終南山しゅうなんざんの奥に隠れていた。
菩薩蛮ぼさつばん行はれて安禄山あんろくざんの乱の起つた昔話や、泣面化粧なきつらげしやうが行はれて国の運の傾いた類を、支那史上から取出して談ずるまでも無い事だし、又「まひらくつのくれつれ……」の童謡が行はれて
震は亨る (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)