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孤燈
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ことう
例へば雪みぞれの
廂を打つ時なぞ
田村屋好みの
唐桟の
褞袍に
辛くも身の
悪寒を
凌ぎつつ消えかかりたる
炭火吹起し
孤燈の
下に煎薬煮立つれば
大学を卒業して数年の後、遠き倫敦の
孤燈の下に、余が思想は始めてこの局所に
出会せり。人は余を目して幼稚なりといふやも
計りがたし。余自身も幼稚なりと思ふ。
女は
暫時恍惚として
其すゝけたる
天井を
見上げしが、
孤燈の
火かげ
薄き
光を
遠く
投げて、おぼろなる
胸にてり
返すやうなるもうら
淋しく、
四隣に
物おと
絶えたるに
霜夜の
犬の
長吠すごく