孝養こうよう)” の例文
もしとしいえ利家のえんじゃでなければ母への孝養こうように生きながらえるみちもあるが、舅のえんにすがって一命をつなぐのは卑怯だとおもうことが一つ
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「とても地獄じごく一定いちじょうすみかぞかし」とか、「親鸞は弟子でし一人も持たずさふらふ」とか、「父母の孝養こうようのためとて、念仏一返にても申したることいまださふらはず」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「今夜一晩、病人の介抱に、人々の孝養こうようの真似をいたしまして、明朝は、お城へ帰りますゆえ、その際なれば、ゆっくりお目にかかれようと、かように申されまして……」
おもうように、おやに、孝養こうようをつくされるひとはしあわせなものだ。」と、かれおもったのでした。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今日此頃けふこのごろ全盛ぜんせい父母ふぼへの孝養こうよううらやましく、おしよくとほあねの、いのらいのかずらねば、まちびとふるねづみなき格子かうし呪文じゆもんわかれの背中せな手加减てかげん秘密おくまで、たゞおもしろくきゝなされて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)