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姿態
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ポーズ
ふりがな文庫
“
姿態
(
ポーズ
)” の例文
この
姿態
(
ポーズ
)
のまま、路地で犬を蹴飛ばしたことも、ドブ板をハネ返したことも、格子戸をはずしたことも気が付いていたのでしょう。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
欣々夫人の
座臥
(
ざが
)
居住の派手さを、婦人雑誌の口絵で新聞で、三日にあかず
見聞
(
みきき
)
しているわたしたちでも、やや、その仰々しい
姿態
(
ポーズ
)
に足を
止
(
とど
)
めた。
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
大石段は目的のない人間のいろんな
姿態
(
ポーズ
)
で一杯に重くされ、丹念に暇にあかして薄い紙と厚い紙とがはなればなれになるまで踏みにじられた煙草の吸口などが落ちていた。
ロンドン一九二九年
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
お尻の上の帯をゆすぶりゆすぶり玄関の
扉
(
ドア
)
を開いて、新派悲劇みたいな
姿態
(
ポーズ
)
を作って案内したから吾輩も堂々と玄関のマットの上に
片跛
(
かたびっこ
)
の
護謨
(
ゴム
)
靴を脱いで、古山高帽を帽子掛にかけた。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は、自分のあらゆる
姿態
(
ポーズ
)
あうちで、机に片ひぢをのせ、眼を青空の一角に注ぎ、その眼の高さに薄手のコーヒー茶わんを差あげてゐる瞬間がもつとも美しく、もつとも似合はしいと思つてゐた。
田巻安里のコーヒー
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
「中の島」の基点になるポン・ド・グルネルの橋の突き出しに立っている自由の女神の銅像が炎天に
煑
(
に
)
えて
姿態
(
ポーズ
)
の角々から青空に陽炎を立てゝいるように見える。橋を日傘が五ツ六ツ駈けて行く。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
美しい
姿態
(
ポーズ
)
で椅子にかけて、ゆっくりと部屋の中を見廻している。
キャラコさん:06 ぬすびと
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
卓子
(
テーブル
)
の前に死んだ糸子と同じ
姿態
(
ポーズ
)
で坐るのは、首の座へ直るような恐ろしさでしょう。が、花房一郎はそんな事に少しも頓着しません。
踊る美人像
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
歌舞伎役者のせりふもどきで錦子は、満足した自分の体も、そこへ、その通りの
姿態
(
ポーズ
)
で
肘
(
ひじ
)
を枕にして、ころがった。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
血潮に染んで大きい
掌
(
てのひら
)
の跡らしいものの殘るのも、下手人の性格を暗示してゐるやうで、
歪
(
ゆが
)
んだ
姿態
(
ポーズ
)
と共に、平次の注意をひきつけます。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この
姿態
(
ポーズ
)
のまゝ、路地で犬を蹴飛ばしたことも、ドブ板をハネ返したことも、格子戸を外したことも氣が付いて居たのでせう。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お喜多は色を
喪
(
うしな
)
いました。よろよろとなると、わずかに葛籠に支えられて、胸を抱いたまま、踊りの幕切れのような悩ましい
姿態
(
ポーズ
)
になります。
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
灯を背にして、ほの白い顔、
岩佐又兵衛
(
いわさまたべえ
)
の絵から抜け出したような、
妖艶
(
ようえん
)
な
姿態
(
ポーズ
)
が、相手を
苛立
(
いらだ
)
たせずにはおきません。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
罠
(
わな
)
へ入れた恰好に締め上げられて、車井戸の柱に縛られた樣子は、まさに『責めの
姿態
(
ポーズ
)
』の典型的なもので、非凡の美しさと見る人もあるでせう。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
地味な
藍色
(
あゐいろ
)
の袷、赤い帶揚が僅かに燃えますが、浮世繪から拔け出したやうな非凡の
姿態
(
ポーズ
)
で、二人の先に立つて、イソ/\と奧へ案内するのです。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
灯を背にして、ほの白い顏、岩佐又兵衞の繪から拔出したやうな、妖艶な
姿態
(
ポーズ
)
が、相手を苛立たせずには措きません。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次も少し引入れられ気味に、そんな事を言って、水槽の左右に立った美女の、素晴らしい
姿態
(
ポーズ
)
に眺め入りました。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
まさに
背後
(
うしろ
)
から背中を突いたもの、お月見には不自然な
姿態
(
ポーズ
)
ですが死の直前に下女のお新が見た格好——斜め後ろ向に欄干にもたれていた——という形から言えば
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お勢は新しく湧いて來る涙をどうすることも出來ずに、身を
捻
(
ひね
)
つて、袖口を顏に押當てました。痛ましくも
顫
(
ふる
)
へる肩のあたり、何と言ふ艶めかしくも美しい怨みの
姿態
(
ポーズ
)
でせう。
銭形平次捕物控:030 くるひ咲
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
唐船男爵の一粒種で、才色兼備の見本のような令嬢、毎月変った
姿態
(
ポーズ
)
の写真が、二枚や三枚は、婦人雑誌へ出ない事が無いという、一代の人気を
背負
(
しょ
)
って立ったような令嬢です。
判官三郎の正体
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お勢は新しく湧いて来る涙をどうすることも出来ずに、身を
捻
(
ねじ
)
って、袖口を顔に押当てました。痛ましくも
顫
(
ふる
)
える肩のあたり、何という
艶
(
なまめ
)
かしくも美しい悲しみの
姿態
(
ポーズ
)
でしょう。
銭形平次捕物控:030 くるい咲き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
下手人の性格を暗示して居るようで歪んだ
姿態
(
ポーズ
)
と共に、平次の注意をひきつけます。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見立て三十六
歌仙
(
かせん
)
の
在五中将
(
ざいごちゅうじょう
)
が借金の言い訳を考えているといった
姿態
(
ポーズ
)
です。
銭形平次捕物控:092 金の茶釜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
例の惱ましき
姿態
(
ポーズ
)
。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
例の悩ましき
姿態
(
ポーズ
)
。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“姿態”の意味
《名詞》
姿 態(したい)
ある動作をしたときの姿。
(出典:Wiktionary)
姿
常用漢字
小6
部首:⼥
9画
態
常用漢字
小5
部首:⼼
14画
“姿”で始まる語句
姿
姿勢
姿見
姿容
姿形
姿貌
姿見鏡
姿体
姿色
姿致