トップ
>
奇警
>
きけい
ふりがな文庫
“
奇警
(
きけい
)” の例文
わたくしはその着眼の
奇警
(
きけい
)
にして、その比喩の巧妙なるに驚かねばならない。その
調
(
しらべ
)
の豪放なることは
杜樊川
(
とはんせん
)
を思わしめる。
枯葉の記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そうしてその鋭利な点はことごとく彼の迂濶な所から生み出されていた。言葉を
換
(
か
)
えていうと、彼は迂濶の
御蔭
(
おかげ
)
で
奇警
(
きけい
)
な事を云ったり
為
(
し
)
たりした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と春子さんは殊更
奇警
(
きけい
)
に出て、兄さんの注意を独占しようと努めた。お母さんの方へ向かせると、この際危い。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
逡巡
(
しゅんじゅん
)
」という漢語を
奇警
(
きけい
)
に使って、しかもよく効果を納めている。芭蕉もよく漢語を使っているが、蕪村は一層奇警に、しかも効果的に慣用している。一例として
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
音なくして音を聴くべく、色なくして色を観るべし。此の如くして得来る者、必ず
斬新
(
ざんしん
)
奇警
(
きけい
)
人を驚かすに足る者あり。俳句界において
斯
(
この
)
人を求むるに蕪村一人あり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
二三箇月の後に文章を作らしてみると、構想が
奇警
(
きけい
)
で他人の真似のできないものがあった。二人は約束して五日目五日目に酒を飲むことにしたが、その時には必ず香奴を招いた。
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
論いささか
奇警
(
きけい
)
に似たる感があるかもしれないが深く考察してみる時、この言必ずしも不当ではないと信ずる。今後の文明は平均、平等への文明である、そしてそれは自然律から生れている。
新古細句銀座通
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
秀吉の
奇警
(
きけい
)
な
比喩
(
ひゆ
)
に、信忠は思わず苦笑をもらした。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奇警
(
きけい
)
なる空想であった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
自分で
嘘
(
うそ
)
と知りつつ
出鱈目
(
でたらめ
)
を
強
(
し
)
いてもっともらしく述べる
奴
(
やつ
)
はなお不都合であるし、できるならば余り人の込み合わない
家
(
うち
)
で、閑静な
髯
(
ひげ
)
を生やした
爺
(
じい
)
さんが
奇警
(
きけい
)
な言葉で
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
意匠に
勁健
(
けいけん
)
なるあり、優柔なるあり、壮大なるあり、
細繊
(
さいせん
)
なるあり、
雅樸
(
がぼく
)
なるあり、
婉麗
(
えんれい
)
なるあり、
幽遠
(
ゆうえん
)
なるあり、平易なるあり、
荘重
(
そうちょう
)
なるあり、軽快なるあり、
奇警
(
きけい
)
なるあり、
淡泊
(
たんぱく
)
なるあり
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
主人はこの
奇警
(
きけい
)
な
比喩
(
ひゆ
)
を聞いて、
大
(
おおい
)
に感心したものらしく、久し振りでハハハと笑った。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
警
常用漢字
小6
部首:⾔
19画
“奇”で始まる語句
奇
奇麗
奇蹟
奇怪
奇妙
奇異
奇特
奇矯
奇瑞
奇態