大儀相たいぎさう)” の例文
翌日よくじつ午前ごぜん醫者いしやまた注射ちうしやをして大抵たいていれでよからうといつてつた。しかしおしな容態ようだい依然いぜんとして恢復くわいふく徴候ちようこうがないのみでなく次第しだい大儀相たいぎさうえはじめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
卯平うへいはむつゝりとしてそれをけた。平生へいぜいきつけたうちなので勘次かんじきま惡相わるさうすわつた。おしな不斷衣ふだんぎまゝ襷掛たすきがけ大儀相たいぎさう體躯からだうごかして勘次かんじそばへはすわらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじ草臥くたぶれやしないかといつてはおしなあしをさすつた。それでもおしな大儀相たいぎさう容子ようすかれおくしたこゝろにびり/\とひゞいて、とて午後ごゞまでは凝然ぢつとしてることが出來できなくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)