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大儀相
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たいぎさう
翌日の
午前に
來て
醫者は
復注射をして
大抵此れでよからうといつて
去つた。
然しお
品の
容態は
依然として
恢復の
徴候がないのみでなく
次第に
大儀相に
見えはじめた。
卯平はむつゝりとしてそれを
受けた。
平生行きつけた
家なので
勘次は
極り
惡相に
坐つた。お
品は
不斷衣の
儘襷掛で
大儀相な
體躯を
動かして
居て
勘次の
側へは
坐らなかつた。
勘次は
草臥れやしないかといつてはお
品の
足をさすつた。それでもお
品の
大儀相な
容子が
彼の
臆した
心にびり/\と
響いて、
迚も
午後までは
凝然として
居ることが
出來なくなつた。