夜歩行よあるき)” の例文
……そうは言っても第一季節は違う、蛙の鳴く頃ではなし、それにその時は女房ばかりが同伴の、それも宿に留守して、夜歩行よあるきをしたのは糸七一人だったのである。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お園が家出のその後は、鹿子の、僻みいつそう強く、夜歩行よあるきなどは思ひも寄らねど。これは毎年の例会にて、遁れ難き集会あつまりなればと。三日前より、ちくちくと、噛んで含めた言の葉に。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
相續爲る御身ゆゑ學問にこり夜歩行よあるき一ツなさらざるもさうなくてはかなはねどとは言へ善惡二つながらおあんなさるは親御のつねましてや外にお子とてなき和君あなたが餘り温順おとなしすぎし病氣でも出はせぬかとお案じなされて玉くしげたに親樣おやさまが此忠兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
打ち如何いかに懷中ふところそだちといへ何故なぜ云々これ/\とは言ずして思ひなやみおろかさよ今まで夜歩行よあるき一つせず親孝行な長三郎し氣に入し者あつて素生すじやうたゞしく心立のよき者あらばいやしき勤の藝者にもあれ娼妓にもあれ又は如何いかなる身分みぶんよき人の娘は言も更なりいやしき者の娘なりとも金にあかしてもらひ取りよめに爲んと思ひしに今日はからずもに入た女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)