外側そとがわ)” の例文
くもは、わがままかってに、わたし内側うちがわにも、また外側そとがわにもあみりました。もとよりわたしに、一ごんことわりもいたしません。それほど、みんなはわたしをばかにしたのです。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは私に、外側そとがわは立派な癖に目に付かない内側の方の円天井が、外気の交通を遮断されて長年の間に腐ってしまった、古い木造普請の全体を想わせるような趣があった。
夏に銅のつぼに水を入れ壺の外側そとがわを水でぬらしたきれでかたくつつんでおくならばきっとそれはえるのだ。なんべんもきれをとりかえるとしまいにはまるでこおりのようにさえなる。
きるように、楽しく生きるように頑固がんこに出来上ってる、丈夫じょうぶ騒々そうぞうしいあらっぽいクラフトの人たちの間にあって、いわば人生の外側そとがわはしっこにうち捨てられてるこの弱い善良ぜんりょう二人ふたり
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
寝所しんじょに近づけては申しわけがないと、みな、この外側そとがわをかためております。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みどり児の新しい生命いのち外側そとがわに深く刻みつけられている。
今、生まれしみどり児 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
そして、いしかぞえては、またふえきながら屋敷やしき外側そとがわあるいていました。
けしの圃 (新字新仮名) / 小川未明(著)