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壊
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こ
ふりがな文庫
“
壊
(
こ
)” の例文
旧字:
壞
傾
(
かた
)
むいて矢のごとく下る船は、どどどと
刻
(
きざ
)
み足に、船底に据えた尻に響く。
壊
(
こ
)
われるなと気がついた時は、もう走る瀬を抜けだしていた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてその通りの事がわたしの昔の空想だつた。昔からの大切な空想だつた。それが無残に
壊
(
こ
)
はされたのだ。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
不幸にして七年前、
遷居
(
せんきょ
)
の際に、途中で一つの本箱を
壊
(
こ
)
わし、その半数の書籍を紛失したが、ちょうどこのノオトも、その時に共に紛失してしまったのである。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ハッと意識がついて見ると、自分は前と同じ場所に立ったままで、手もそのままではあったが、ガラス管は飛び散り、ガラスの覆面も滅茶滅茶に
壊
(
こ
)
われてしまっておった。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
而
(
し
)
かも其悪魔が私の父です——
今日
(
こんにち
)
の
会合
(
あつまり
)
は廿五年の
祝典
(
いはひ
)
では御座いませぬ、
光明
(
ひかり
)
を亡ぼす悪魔の
祝典
(
いはひ
)
です、——我父の打ち
壊
(
こ
)
はす神殿の滅亡を
跪
(
ひざまづ
)
いて見ねばならぬとは
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
瀬戸物市場では小鉢を滅茶滅茶に打ち
壊
(
こ
)
わし、花市場の花を蹴散らし、魚市場の
魚
(
うお
)
を跳ね飛ばして散々に暴れ散らした
揚句
(
あげく
)
、今度は南の国へ通う広い往来を駈け下りました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
細君は無論の事心配そうに「せっかく見事な帽子をもし
壊
(
こ
)
わしでもしちゃあ大変ですから、もう好い加減になすったら
宜
(
よ
)
うござんしょう」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし迷亭君見たように余計な茶々を入れて
打
(
ぶ
)
ち
壊
(
こ
)
わすのは善くないと思う。
仮令
(
たとい
)
勧めないまでも、こんな事は本人の随意にすべきはずのものだからね。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さてこうなって見ると、もうおとなしくしていても仕方がない。どうせ主人の予定は
打
(
ぶ
)
ち
壊
(
こ
)
わしたのだから、ついでに裏へ行って用を
足
(
た
)
そうと思ってのそのそ這い出した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし流れて行く人の表情が、まるで平和ではほとんど神話か
比喩
(
ひゆ
)
になってしまう。
痙攣的
(
けいれんてき
)
な
苦悶
(
くもん
)
はもとより、全幅の精神をうち
壊
(
こ
)
わすが、全然
色気
(
いろけ
)
のない平気な顔では人情が写らない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
余の空想の一半は倫敦塔を見たその日のうちに
打
(
ぶ
)
ち
壊
(
こ
)
わされてしまった。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし人間を離れないで人間以上の永久と云う感じを出すのは容易な事ではない。第一顔に困る。あの顔を借りるにしても、あの表情では駄目だ。苦痛が勝ってはすべてを
打
(
う
)
ち
壊
(
こ
)
わしてしまう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「僕は登りたくなくって、仕方がないんだ」と碌さんが
打
(
ぶ
)
ち
壊
(
こ
)
わした。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“壊(
破壊
)”の解説
破壊(はかい)とは、物に何らかの力や影響が加わることにより、その物の形状・機能・性質などが失われること。また、それを引き起こす行為のこと。
対義語は「製造」や「再生」、「修復」など。
(出典:Wikipedia)
壊
常用漢字
中学
部首:⼟
16画
“壊”を含む語句
破壊
打壊
取壊
壊乱
壊血病
崩壊
不壊
壊疽
金剛不壊
爛壊
倒壊
壊空
段々壊
敗壊
刀尋段々壊
不壊金剛
壊滅
事壊
自壊
大崩壊
...