“墓所(ぼしよ)” の例文
覺悟(かくご)の身(み)に今更(いまさら)の涙(なみだ)見苦(みぐる)しゝと勵(はげ)ますは詞(ことば)ばかり我(わ)れまづ拂(はら)ふ瞼(まぶた)の露(つゆ)の消(き)えんとする命(いのち)か扨(さて)もはかなし此處(こゝ)松澤(まつざは)新田(につた)が先祖累代(せんぞるゐだい)の墓所(ぼしよ)晝(ひる)猶(なほ)暗(くら)き樹木(じゆもく)の茂(しげ)みを吹拂(ふきはら)ふ夜風(よかぜ)いとゞ悲慘(ひさん)の聲(こゑ)を
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
瀧口今(いま)は、誰れ知れる人もなき跡ながら、昔の盛り忍ばれて、盡きぬ名殘(なごり)に幾度(いくたび)か振𢌞(ふりかへ)りつ、持ちし錫杖(しやくぢやう)重(おも)げに打ち鳴らして、何思ひけん、小松殿の墓所(ぼしよ)指(さ)して立去りし頃は、夜明(よあ)け
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)