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嚮
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むか
ふりがな文庫
“
嚮
(
むか
)” の例文
金魚がマホメット
本寺
(
カセドラル
)
の
円頂塔
(
ドーム
)
に立籠って風速に
嚮
(
むか
)
っている、それをコルクの砂漠に並んでアネモネの花が礼拝している。これは活花台だ。
バットクラス
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
唯だ至粋を
嚮
(
むか
)
へて之を或境地に
箝
(
は
)
むるは人間の業にして、時代なる者は常に其の
択取
(
たくしゆ
)
したる至粋を歴史の明鏡に写し出すなり。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
公使がまた一々取次いで外相井侯に苦情を持込むので、テオドラ嬢の父は事毎に外相からの内諭で娘の意を
嚮
(
むか
)
えるに汲々として弱り抜いていたが
四十年前:――新文学の曙光――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
社
(
やしろ
)
の
森
(
もり
)
の
外
(
そと
)
は
白
(
しろ
)
い
月夜
(
つきよ
)
である。
勘次
(
かんじ
)
が
村落外
(
むらはづ
)
れの
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
つた
時
(
とき
)
は
踊子
(
をどりこ
)
は
皆
(
みな
)
自分
(
じぶん
)
の
嚮
(
むか
)
ふ
處
(
ところ
)
に
赴
(
おもむ
)
いて三
人
(
にん
)
のみが
靜
(
しづか
)
に
深
(
ふ
)
け
行
(
ゆ
)
く
庭
(
には
)
にぽつさりと
立
(
た
)
つたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その立つやこれに
仗
(
よ
)
り、その動くやこれに基づき、その進むやこれに
嚮
(
むか
)
う。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
▼ もっと見る
熱慕
(
ねつぼ
)
情
(
なさけ
)
にただ
嚮
(
むか
)
へ
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
こういう
弛緩
(
しかん
)
の状態に在っては、慧鶴青年自身、積極的に情慾の満足に
嚮
(
むか
)
わないまでも、他からの異性の誘惑には脆い筈なのだ。慧鶴にその事はなかったのか。是非、調べてみたい。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その熱情は今迄善良と思う純真な心によって導かれて居る。だが今度は悪の力でそれが後押しされるのだ。およそ人間が悪の力で後押しされる恋の情熱の
嚮
(
むか
)
う途は大概極まって居る。
ある日の蓮月尼
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかし、ただの童心というものは、文字どおり童心一枚だけのものであって、狡智に
嚮
(
むか
)
い、悪辣に懸かったときには、ひと堪まりもなく
壊
(
くず
)
れてしまいます。欺され陥れられるばかりであります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
嚮
漢検1級
部首:⼝
19画
“嚮”を含む語句
嚮導
嚮後
意嚮
方嚮
嚮導者
帰嚮
嚮導艇
嚮導隊
嚮者将軍徳川慶喜
嚮背
影嚮石
御嚮導
御意嚮
扶掖嚮導
文嚮