嗟歎さたん)” の例文
かれはいまチビ公の嗟歎さたんを聞き、覚平の薄幸はっこうを思うとこの世ははたしてそんなにけがらわしきものであるかと考えずにいられなかった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
令史れいしすくなからず顛動てんどうして、夜明よあけて道士だうしもといた嗟歎さたんしてふ、まことのなすわざなり。それがしはたこれ奈何いかんせむ。道士だうしいはく、きみひそかにうかゞふことさら一夕ひとばんなれ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仮に是非ぜひもない自然の運であったとしても、なお深く嗟歎さたんすべきことではある。
彼らがのんどに氷を与えて苦寒に怖れわななかしめよ、彼らが胆に針を与えて秘密の痛みに堪えざらしめよ、彼らが眼前めさきに彼らがしたる多数おおく奢侈しゃしの子孫を殺して、玩物がんぶつの念を嗟歎さたんの灰の河に埋めよ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
雪枝ゆきえ嗟歎さたんしてつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)