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喧々囂々
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けんけんごうごう
ふりがな文庫
“
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)” の例文
米友の姿が屋根の上に現われた時に、下では折助どもが
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
として
噪
(
さわ
)
ぎ罵りました。
梯子
(
はしご
)
を持って来いと怒鳴りました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
抵抗力ない女の罪を
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
することで、自分を義人と感じるには、私たち女の経て来た苦労は厳粛すぎるのである。
人間の道義
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
問題は
紛糾
(
ふんきゅう
)
した。相互の感情と利害は妥協の余地が見出せないように相反している。上甲板は、
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
とした。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
として湯気とともに立ちあがる甲高い声々……その間を
世辞湯
(
せじゆ
)
のやりとり、足を拭く
曲線美
(
きょくせんび
)
——与吉がいい気もちに
顎
(
あご
)
を湯にひたしてヤニさがっていると
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あの狭隘さは、あの某々雑誌の
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
はいったい何事であろう。あの無秩序な、無差別な、玉石も真贋も混淆したあの評価は、あの妥協は、あの美に対する
放恣
(
ほうし
)
な反逆は。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
一座は、尚も
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
、
納
(
おさ
)
まりがつかなくなった。あちこちで、
同志討
(
どうしうち
)
までが始まる。
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ために、場内は刻一刻と殺気だって、東の声援、西の呼び声、
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
と入り乱れながら、ほとんど耳も
聾
(
ろう
)
せんばかりでしたが、しかし、名人はいかなる場合においてもやはり名人です。
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
肘
(
ひじ
)
と肘とをぶっつけ合い、互いに隣りの客を
牽制
(
けんせい
)
し、負けず劣らず大声を挙げて、おういビイルを早く、おういビエルなどと東北
訛
(
なま
)
りの者もあり、
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
、やっと一ぱいのビイルにありつき
禁酒の心
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これは無理もない。たださえ
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
たる政党員のなかでも、ことに議論好きで声の大きい社会党員が三、四十人も寄りあっていたんだから耳のかたわらで爆弾が破裂しても、聞えるはずがない。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
ところがその結果はかえって石灰の中に水を入れたような結果になり——
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
、組んずほぐれつ、収拾すべからざる大乱闘が捲き起されてしまったことは
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
、議論のかたまりを持って流れ歩いてくる一組が、すぐ近くの樹陰にも見えたからであった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうした会は後年はものしずかなものになったが、この時代はどうしてどうして
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
たるさわぎだった。入札に対して、会主は、当り、当り同然、よく候と三様に答える。
寛永相合傘
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
と騒ぎたてた群集をけちらして、表警備、忍び警備、隠れ警備の任についていた町方一統の面々が先を争いながら駆けつけると、われこそ宰相の御意にかなおうといわぬばかりに
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
として、騒いで且つ狼狽するがために、いよいよ救急の要領を外れ、努力の能率がみんな空費されてしまうことを、米友も歯がゆく思わないわけにはゆきません。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「やらせろ!」「よけいな水はいれるな!」「役人どもは引っ込め」と、
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
、木の実を投げる、石が飛ぶ。まちがえば暴動にもなりかねないような狂気めいた騒ぎだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
響き合わせて、土手の上も
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
と声から声がつづきました。
右門捕物帖:17 へび使い小町
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
またしても
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
、人の
罵
(
ののし
)
る声、騒ぐ物音、さあまた事が起ったぞ、喧嘩だな、喧嘩となれば、てっきり今の物々しい奴等、してまた、その相手は、待てよ、ことによると
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
矢来の外の群集も
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
として、にわかに罵声不平が遠い
海嘯
(
つなみ
)
のように巻き返した。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ、それを囲む群集の
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
、紛々乱々だけは
如何
(
いかん
)
ともなす由がない。手のつけようも、足のつけようも知らない代り、
喚
(
わめ
)
き叫び、
哀
(
かな
)
しみ求むる声だけは
徒
(
いたず
)
らに盛んである。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
もちろん
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
たる悪声であった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
たるうちに、誰にもわからないのは、道庵先生なるものの
了簡方
(
りょうけんかた
)
です。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここの
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
さであった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
棺の周囲に
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
として、物争いの
罵
(
ののし
)
りと、組んずほぐれつの争いと、棺を引摺り出そうという者、そうはさせまいとする者とが、座敷いっぱいに荒れ狂うている
形相
(
ぎょうそう
)
は、どうしても
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
相当の距離に立ちのいて、
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
の弥次を飛ばすところを聞いていると
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼等は
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
として、これだけのことを報告に来たものらしい。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ただすさまじい
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
だけを耳にするばかりです。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
弥次馬はそのあとをついて
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
と騒いでいます。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
と
罵
(
ののし
)
る声が地に満つるの有様です。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
喧
漢検準1級
部首:⼝
12画
々
3画
囂
漢検1級
部首:⼝
21画
々
3画
“喧々”で始まる語句
喧々
喧々濛々