唱名しやうみやう)” の例文
然るに傳吉は昨夜より牢内らうない切繩きりなはを入れて彌々明日死罪しざいと申事故一ねん唱名しやうみやうしてかね覺悟かくご致しける所ろ折節をりふし牢役人らうやくにん來り傳吉に向ひ偖々さて/\其方は仕合者なりすでに死罪にけつし明日くび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ればいけのふちなるつちを、五六すんはなれてきりなかに、唱名しやうみやうこゑりんおと深川木場ふかがはきばのおりうあねかどまぎれはない。しかおもて一脈いちみやく線香せんかうにほひに、學士がくしはハツとわれかへつた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)