味噌汁おみおつけ)” の例文
わらんだむしろいてある爐邊ろばたで、數衛かずゑのこしらへてれた味噌汁おみおつけはお茄子なすかはもむかずにれてありました。たゞそれが輪切わぎりにしてありました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
昨日の川蒸気で、ポンチャナクから日本のお味噌を持って来てくれました、それで今朝は、とてもおいしい味噌汁おみおつけが出たことをお知らせいたします。五月十二日附—。
宇宙爆撃 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
あたしは味噌汁おみおつけが嫌いなので、ぽっちりとおわんの底の方へよそってもらってもつい残す。とにかく祖母の目はあたしにばかりそそがれているからたまらない、最後に、小言こごとはいわずに
無理に止めまして少し冷めた味噌汁おみおつけをあっため、差向いで朝飯あさはんを仕舞まする。
女中おんな味噌汁おみおつけって来る間に、膳のそばへ転んだようになって、例に因って三の面の早読と云うのをすると、(独語学者の掏摸。)と云う、幾分か挑撥的の標語みだしで、主税のその事が出ていたので
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「今朝は旦那さんのお好きな味噌汁おみおつけがほんとにオイしく出来ましたよ」とまた婆やが言った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
行ったのは、もうおひるをまわっていたが、勝手口のところには、うに冷め切った味噌汁おみおつけを入れた琺瑯ほうろうびんと一緒に、朝食と昼食の二食分が、手もつけられずに置かれてあるのを見
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
しかしとうさんはあとにもまへにも、あんなおいしい味噌汁おみおつけべたとおもつたことはりません。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
とうさんがあそびにきましたら、數衛かずゑ大層たいそうよろこびまして、にかけたおなべ菜飯なめしをたいてれました。それからお茄子なす味噌汁おみおつけをもこしらへまして、おわかれに御馳走ごちさうしてれました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
もう味噌汁おみおつけも煮詰って了ったのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)