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呪縛
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じゅばく
ふりがな文庫
“
呪縛
(
じゅばく
)” の例文
慈恩の笄でございます、母性愛の光でございます、子を
憂
(
うりょ
)
うる孫兵衛の母が、いまわの
際
(
きわ
)
の意見を縫いつけた
呪縛
(
じゅばく
)
の針でございます。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
出し抜けにぎゅッと五体を
呪縛
(
じゅばく
)
した感じ、………でなかったら、巨大な熊の如き獣の胸に抱きすくめられたような工合だった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
内実ではより多くの例の「健全なる」道徳に
呪縛
(
じゅばく
)
せられて、自我の本性をポーズの奥に突きとめようとする欲求の
片鱗
(
へんりん
)
すらも感じてはいない。
デカダン文学論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
座敷はしんとしずまりかえった、
空谷
(
くうこく
)
のようになんの物音もしない。人々は身動きもせず、
呪縛
(
じゅばく
)
されたように眼をみはり息をひそめて坐っている。
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
天翔
(
あまか
)
けることも地を潜ることも、
魑魅魍魎
(
ちみもうりょう
)
を使うことも、
呪縛
(
じゅばく
)
でお前さんを縛ることも、どんな事だって出来るのだよ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
妙な形のガラス壜のことが心に
泛
(
う
)
かんだとき、宿命的な魔法の
呪縛
(
じゅばく
)
にかかっている美しい一人の女の姿が、生けるがごとくにわたしの幻影となって現われてきた。
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
我々の行為は絶えずその
呪縛
(
じゅばく
)
のもとにある。道徳の拘束力もそこに基礎をもっている。他人の期待に反して行為するということは考えられるよりも
遥
(
はる
)
かに困難である。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
しかし、現在の日本のジャーナリズムがその魔術の
呪縛
(
じゅばく
)
に
破綻
(
はたん
)
を示してときどき醜いしっぽを露出するのはいわゆる科学記事の方面において往々に見受けられるのは注意すべき現象である。
ジャーナリズム雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
巨大な財産をのむ
名壺
(
めいこ
)
の
魅縛
(
みばく
)
……これをこそ、
呪縛
(
じゅばく
)
というのでしょうか。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
途端に
呪縛
(
じゅばく
)
が解けたのである。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
……いえ、いえ。いくら李逵が嫌のなんのといったって、師の
呪縛
(
じゅばく
)
にかかっては、
羽
(
は
)
ネを抜かれた
禿鷹
(
はげたか
)
も同様で飛び立つことはできません。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四涜
(
しとく
)
の塔と呼ばれていた。そこには四人の悪神の像が、
呪縛
(
じゅばく
)
されて置かれてあった。それを通ると鐘楼であった。
梵鐘
(
ぼんしょう
)
は青く
緑青
(
ろくしょう
)
を吹き、高く空に懸かっていた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
中から用意の
心張棒
(
しんばりぼう
)
が掛っているということは知らないので、今は、お蝶と龍平、あたかも錠前の
呪縛
(
じゅばく
)
にかかったように、
開
(
あ
)
かねば開かぬほど意地になって
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「待ちな、
姥
(
おばば
)
、
俺
(
おい
)
らも行く。……あの走りざま、色気がないなあ……
役
(
えん
)
の行者に
呪縛
(
じゅばく
)
されたという、
鬼子母神
(
きしもじん
)
様にそっくりじゃ。飛天夜叉殿、ではご免。……未練のこして行くとしようぞ」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いまわしい運命の
呪縛
(
じゅばく
)
からのがれたい一心に、さまざまと手をくだいた甲斐があって、
川長
(
かわちょう
)
のお米は、やっと、なつかしい大阪の町を、再び目の前に見ることができた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呪縛
(
じゅばく
)
でござる。さよう島原城之介のな。さがして城之介にお逢いなされ。呪縛を解くようおたのみなされ。お京様の狂乱はなおりましょう。その節巻軸を奪い取り、当屋敷へご持参なさい。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その水気が乾くに従い、
蔓
(
つる
)
は針金より固くなって、一
分
(
ぶ
)
一分肉へ食いこんでいく一種の
呪縛
(
じゅばく
)
だ。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで彼奴らは法術で——いわば一種の
呪縛
(
じゅばく
)
だね。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「……はてな?」智深は少し汗を吹きはじめた。「腹のへッているせいか?」いや、そうでもなかった。剣気というのか、一種の精気が
呪縛
(
じゅばく
)
をかけてくるのだった。智深はやっと自重しだした。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
呪縛
(
じゅばく
)
されているのだ、貴様のために!」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
呪縛
(
じゅばく
)
でござるよ、城之介のな!」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“呪縛”の意味
《名詞》
呪縛(じゅばく)
呪いをかけて、縛られたように動けなくすること。
心理的に行動の制約をかけるもの。そのような制約がかかること。
(出典:Wiktionary)
呪
常用漢字
中学
部首:⼝
8画
縛
常用漢字
中学
部首:⽷
16画
“呪縛”で始まる語句
呪縛剣