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名香
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めいこう
ふりがな文庫
“
名香
(
めいこう
)” の例文
やはり灰色の丸い顔をしていて、髪を背中へ長く垂らし、なかなか
耳目
(
じもく
)
もととのっていた。そして私に御馳走をするのだといって、
名香
(
めいこう
)
のようなものを
焚
(
た
)
いてくれた。
最小人間の怪:――人類のあとを継ぐもの――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また、
内奏
(
ないそう
)
をとげて、南都の東大寺に秘蔵伝来されている
蘭奢待
(
らんじゃたい
)
の
名香
(
めいこう
)
を
截
(
き
)
るおゆるしをうけた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
名香
(
めいこう
)
数
斛
(
こく
)
、宝剣一
雙
(
そう
)
、婦女三十人、その婦女はみな絶世の美女で、久しいものは十年もとどまっている。容色おとろえた者はどこへか連れて行かれて、どうなってしまうか判らない。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何
(
な
)
んだって。この
匂
(
におい
)
がかげねえッて。ふふふ。
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
にこれ
程
(
ほど
)
のいい
匂
(
におい
)
は、またとあるもんじゃねえや、
伽羅沈香
(
きゃらちんこう
)
だろうが、
蘭麝
(
らんじゃ
)
だろうが
及
(
およ
)
びもつかねえ、
勿体
(
もったい
)
ねえくれえの
名香
(
めいこう
)
だぜ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
煤
(
すす
)
も香を吐く花かと映り、蜘蛛の巣は
名香
(
めいこう
)
の
薫
(
かおり
)
が
靡
(
なび
)
く、と心時めき、この世の
一切
(
すべて
)
を
一室
(
ひとま
)
に縮めて、そして、海よりもなお広い、金銀珠玉の御殿とも、宮とも見えて、
令室
(
おくがた
)
を一目見ると
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
しかるに重体の死に
瀕
(
ひん
)
した一日、橘之助が一輪ざしに菊の花を
活
(
い
)
けたのを
枕頭
(
まくらもと
)
に引寄せて、かつてやんごとなき
某
(
なにがし
)
侯爵夫人から領したという、
浅緑
(
あさみどり
)
と名のある
名香
(
めいこう
)
を、お縫の手で
焚
(
た
)
いてもらい
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“名”で始まる語句
名
名残
名代
名告
名前
名誉
名人
名聞
名高
名題