吉三きちざう)” の例文
なかつていやなものだねと歎息たんそくするに、それはおまへこゝろがらだとて不滿ふまんらしう吉三きちざうひぬ。
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
になんぞけなくてもいゝよ、れも傘屋かさや吉三きちざうをんなのお世話せわにはらないとつて、よりかかりしはしらこすりながら、あゝつまらない面白おもしろくない、れは本當ほんたうなんふのだらう
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きやうはお高祖頭巾こそづきん眉深まぶか風通ふうつう羽織はおりいつも似合にあはなりなるを、吉三きちざうあげおろして、おまへ何處どこきなすつたの、今日けふ明日あすいそがしくておまんまべるもあるまいとふたではないか
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)