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ふりがな文庫
“
古郷
(
ふるさと
)” の例文
六九
古郷
(
ふるさと
)
に捨てし人の
消息
(
せうそこ
)
をだにしらで、
七〇
萱草
(
わすれぐさ
)
おひぬる
野方
(
のべ
)
に長々しき年月を過しけるは、
七一
信
(
まこと
)
なき
己
(
おの
)
が心なりける物を。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
扨
(
さて
)
はそらごとにあらじ、
古郷
(
ふるさと
)
を出て三百里に及べば、かかる奇異のことにも逢ふ事ぞ、さらば宿り求めんとて、あなたこなた宿を
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
古郷
(
ふるさと
)
の
涅槃会
(
ねはんえ
)
には、
膚
(
はだ
)
に抱き、
袂
(
たもと
)
に捧げて、町方の娘たち、一人が三ツ二ツ手毬を携え、同じように着飾って、山寺へ来て
突競
(
つきくら
)
を戯れる
習慣
(
ならい
)
がある。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あたしの
古郷
(
ふるさと
)
のおとめといえば、江戸の面影と、
香
(
か
)
を、いくらか残した時代の、どこか歯ぎれのよさをとどめた、雨上りの、
杜若
(
かきつばた
)
のような下町
少女
(
おとめ
)
で、初夏になると、なんとなく思出がなつかしい。
旧聞日本橋:22 大門通り界隈一束(続旧聞日本橋・その一)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
いづこにも心とまらば
棲
(
す
)
みかへよ
長
(
なが
)
らへばまた本の
古郷
(
ふるさと
)
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
なほ御
四五
跡をしたうて
責討
(
せめう
)
てば、
古郷
(
ふるさと
)
の
辺
(
ほと
)
りは
四六
干戈
(
かんくわ
)
みちみちて、
四七
涿鹿
(
たくろく
)
の
岐
(
ちまた
)
となりしよしを
四八
いひはやす。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
不思議や、
蒔絵
(
まきえ
)
の車、雛たちも、それこそ
寸分
(
すんぶん
)
違
(
たが
)
わない
古郷
(
ふるさと
)
のそれに似た、と思わず
伸上
(
のびあが
)
りながら、ふと心づくと、前の雛壇におわするのが、いずれも
尋常
(
ただ
)
の形でない。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あるじの女、屏風すこし引きあけて、めづらしくもあひ見奉るものかな。
一三九
つらき
報
(
むく
)
いの程しらせまゐらせんといふに、驚きて見れば、
古郷
(
ふるさと
)
に残せし
磯良
(
いそら
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
郷
常用漢字
小6
部首:⾢
11画
“古”で始まる語句
古
古今
古渡
古河
古市
古風
古家
古物
古文書
古代