おろし)” の例文
状元橋じょうげんきょうの橋だもと。精肉おろし売小売と見える大きな店のうちへ、ずっと入っていった魯達は、そこの椅子いすの一つへ、でんと腰をおろした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒は強い方だったが、山下の軍鶏屋しゃもやで二、三のおろしさきの番頭たちと、空腹へだらしなく流し込んだので送り出された時にはもういい加減に廻っていた。
... そうして出来上った時あたらしいクリームなら上等ですし、なければ牛乳をきほど加えて少し煮て火からおろしたのがかけ汁になります」玉江嬢「オヤオヤ随分面倒ですね」
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
きいどんの喜市はとても芝居好きで相撲狂でありました。彼は本郷から赤坂麹町までおろしの配達に出ましたが、帰りには必ず神田の三崎町を通り、三崎座をのぞくことにきめていました。
まきすみや、石炭せきたん生産地せいさんちから直接ちょくせつ輸入ゆにゅうして、そのおろしや、小売こうりをしているので、あるときは、えき到着とうちゃくした荷物にもつろしを監督かんとくしたり、またリヤカーにんで、小売こうさきはこぶこともあれば
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
さっぱりした大根おろしが食べたいとおっしゃいます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
仕立おろしを著こなした。