“引卸”の読み方と例文
読み方割合
ひきおろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
早速引卸ひきおろして模様を尋ねても、便所の前に行ったまでは覚えているが、それから先のことは少しも知らぬ。ただふと気がついたから救いを求めたといっていた。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大口のようなズボンを穿いている——がやって来て、これも何か早口で指図をすると、子供らは心得て、蜘蛛くもの子のように四散し、高い桁梁けたはりから吊された幕を引卸ひきおろしにかかります。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
兼太郎は路地へ戻って格子戸を明けると内ではもう亭主がいびきの声に女房が明ける箪笥たんすの音。表の戸をしめて兼太郎は二階へ上り冷切ひえきった鉄瓶てつびんの水を飲みながら夜具を引卸ひきおろした。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)