南無三宝なむさんぽう)” の例文
旧字:南無三寶
南無三宝なむさんぽう呆気あっけに取られて、目をみはった鼻っ先を、くだんの蝙蝠は横撫よこなでに一つ、ばさりと当ててむこうへ飛んだ。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう
饗応夫人 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ぎくり、しゃくり、いまが大切、……よちりと飛附く。……南無三宝なむさんぽう、赤蜻蛉はさっれた。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あれから旅籠町へ抜けて、東四十物町を突切つっきって、橋通りへかかって神通を飛越そうてえ可恐おそろしれ方だ。南無三宝なむさんぽう、こりゃ加州まで行くことかと息切がしてあおくなりましたね。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう! 私は恥を言おう。露に濡羽ぬればの烏が、月のかつらくわえたような、鼈甲べっこう照栄てりはえる、目前めのさきの島田の黒髪に、魂を奪われて、あの、その、旅客を忘れた。旅行案内を忘れた。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう、も一つの瓶にはまむしが居たぞ、ぐるぐると蜷局とぐろを巻いた、胴腹が白くよじれて、ぶるッと力を入れたような横筋の青隈あおぐまくぼんで、逆鱗さかうろこの立ったるが、瓶の口へ、トとどく処に
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蟹五郎 南無三宝なむさんぽう、堂の下で誓を忘れて、つりがねの影を踏もうとした。が、山も田圃たんぼ晃々きらきらとした月夜だ。まだまだしめった灰も降らぬとなると、俺も沢を出て、山の池、御殿の長屋へかずばなるまい。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう、あやまりてた。」と烏帽子えばうしいて猪頸ゐくびすくむ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
南無三宝なむさんぽう、電光に幕あるのみ。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう、はははは。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
修理 南無三宝なむさんぽう
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう。」
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)