“なむさんぽう”の漢字の書き方と例文
語句割合
南無三宝100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あれから旅籠町へ抜けて、東四十物町を突切つっきって、橋通りへかかって神通を飛越そうてえ可恐おそろしれ方だ。南無三宝なむさんぽう、こりゃ加州まで行くことかと息切がしてあおくなりましたね。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう! 私は恥を言おう。露に濡羽ぬればの烏が、月のかつらくわえたような、鼈甲べっこう照栄てりはえる、目前めのさきの島田の黒髪に、魂を奪われて、あの、その、旅客を忘れた。旅行案内を忘れた。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう、も一つの瓶にはまむしが居たぞ、ぐるぐると蜷局とぐろを巻いた、胴腹が白くよじれて、ぶるッと力を入れたような横筋の青隈あおぐまくぼんで、逆鱗さかうろこの立ったるが、瓶の口へ、トとどく処に
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)