劉表りゅうひょう)” の例文
けれども肝腎かんじん劉表りゅうひょうがそれを許さない。同じ漢室のえいではあるし、親族にもあたる玄徳を殺したら、天下に外聞が悪いというのである。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……けれどここに外交と戦争とを併行して、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうを味方に加えるの策に成功したら、もはや曹操とて完敗の地に立つしかありますまい
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「荊州の刺史劉表りゅうひょうに仕え重用されていましたが、四、五年前乱に遭って土民に殺され、いまはすでに故人となっています」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉表りゅうひょう嫡子ちゃくしとして、玄徳はあくまで琦君を立ててきたが、生来多病の劉琦は、ついに襄陽じょうよう城中でまだ若いのに長逝した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州を版図はんとに加えることは実に劉表りゅうひょうが亡んで以来の積年の望みだった。孫権の満悦、呉軍全体の得意、思うべしである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
愚臣の観るところでは、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうと、襄城じょうじょう(河南省・許昌西南)の張繍ちょうしゅうとは、ひそかに聯携して、あえて、朝廷にさえ不遜な態度を示しています。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張繍は諸州の敗残兵を一手に寄せて、追々と勢威を加え、また、謀士賈詡かくを参謀とし、荊州けいしゅうの太守劉表りゅうひょうと軍事同盟をむすんで、宛城えんじょうを根拠としていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州の主、劉表りゅうひょうは死なれた。しかし遺孤いこ劉琦りゅうき——すなわちその嫡子はなおわが劉皇叔のもとに養われている。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ。……蔡夫人さいふじんもそんな風です。いつかしら、理由なく、私も父の劉表りゅうひょうにはうとんじられておりまする」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「呉主孫権の名代として、劉表りゅうひょうとむらうと称し、重臣魯粛ろしゅくと申される方の船が、いま江頭に着きました」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
国主の劉表りゅうひょうは病重く、近頃の容態はどうやら危篤のようです。これは天が君に幸いするものでなくてなんでしょう。よろしく荊州けいしゅうを借りて、万策をお計りあれ。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうへ使いをやって、兵糧米二万こくの借用を申しこむと、劉表からもていよく断られてしまった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうだ。孔明こうめいを迎えてしょくせいし、三国の一方を占めて帝座にのぼった人物。この人がまだ志も得ず、孔明にも会わず、同族の劉表りゅうひょうに身を寄せて、いわば高等食客を
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州は両国からひッぱりだこになったわけである。いずれを選ぶも劉表りゅうひょうの胸ひとつにある。こうなると劉表は慾目に迷って、かえって大勢の判断がつかなくなった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも都の北には、西涼せいりょうの憂いがあるし、東には劉表りゅうひょう、西には張繍ちょうしゅう、おのおの、虎視眈々こしたんたんと、この曹操が脚を失って征途につかれるのをうかがっているところだ……
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州けいしゅう劉表りゅうひょう、にわかに兵をうごかし、わが退路を断って、許都を衝かんとする姿勢にうかがわれる」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それは、私におただしあるよりは、さきに亡んだ袁紹えんしょうだの劉表りゅうひょうなどがよいお手本ではありませんか」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉備を見ごろしにしては、予の信義にそむく。今、袁紹えんしょうは北平の討伐に向い、それに憂いはないが、なお予の背後には張繍ちょうしゅう劉表りゅうひょうの勢力が、常に都の虚をうかがっている。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たまいだくと、たちまち心変りして、袁紹と烈しい喧嘩別れをして、即日、これも本国へさして急いでしまったが、途上、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうさえぎられて、その軍隊はさんざんな傷手をうけ
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉表りゅうひょうの第一線は、黄祖を大将として、沿岸に防禦の堅陣をいていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)