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其度毎
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そのたびごと
ふりがな文庫
“
其度毎
(
そのたびごと
)” の例文
未だ汽車の通じない頃は、沼田まで高崎から軽便電車に乗ったものであるが、途中よく脱線して
其度毎
(
そのたびごと
)
にお客は車から下りて復旧の手伝いをしたりなどした。
三国山と苗場山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
其度毎
(
そのたびごと
)
に總身
宛然
(
さながら
)
水を
浴
(
あ
)
びし如く、心も體も
凍
(
こほ
)
らんばかり、襟を傳ふ涙の雫のみさすが哀れを隱し得ず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
亦
一
(
いつ
)
の驚きたるあり、オヨチにては
蝮
(
まむし
)
多くして、倒れ木の上に丸くなりて
一処
(
いっしょ
)
に六七個あるあり。諸方にて多く見たり。
其度毎
(
そのたびごと
)
にゾッとして全身
粟起
(
ぞっき
)
するを覚えたり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
時々書斎の入口まで来て、今宇津木を
討
(
う
)
ち
果
(
はた
)
したとか、今
奥庭
(
おくには
)
に積み上げた家財に火を掛けたとか、知らせるものがあるが、
其度毎
(
そのたびごと
)
に平八郎は
只
(
ただ
)
一目
(
ひとめ
)
そつちを見る
丈
(
だけ
)
である。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其度毎
(
そのたびごと
)
に種苗店の不徳義、種子の
劣悪
(
れつあく
)
を
罵
(
ののし
)
るが、春秋の季節になると、また目録をくって注文をはじめる。馬鹿な事さ。然し儂等は趣味空想に生きて、必しも
結果
(
けっか
)
には活きぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
正午
(
ひる
)
になると
毎日
(
まいにち
)
警察署長
(
けいさつしよちやう
)
が、
町盡頭
(
まちはづれ
)
の
自分
(
じぶん
)
の
邸
(
やしき
)
から
警察
(
けいさつ
)
へ
行
(
い
)
くので、
此
(
こ
)
の
家
(
いへ
)
の
前
(
まへ
)
を二
頭馬車
(
とうばしや
)
で
通
(
とほ
)
る、するとイワン、デミトリチは
其度毎
(
そのたびごと
)
、
馬車
(
ばしや
)
が
餘
(
あま
)
り
早
(
はや
)
く
通
(
とほ
)
り
過
(
す
)
ぎたやうだとか
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其度毎
(
そのたびごと
)
に渦を巻いたり白い泡を立てたりして、矢のように
駛
(
はし
)
る川がちょいちょい脚の下に
瞰
(
のぞ
)
まれる。峡勢
窄迫
(
さっぱく
)
して、黒部川特有の廊下がそろそろ始まったのだ。
黒部川を遡る
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
岩間に根を下ろした米躑躅が旨く手掛りや足掛りを造って
呉
(
く
)
れるが、
其度毎
(
そのたびごと
)
に枝間に咲きこぼれたつつましやかな白い花を
毮
(
むし
)
り取ったり、薄桃色の花を蹈み
躙
(
にじ
)
ったりするのは
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
私は
其度毎
(
そのたびごと
)
に尾根の方に心を残しながら、疑惑の歩みを続けることを余儀なくされたが、霧の中にゆらゆらと突立った尖塔の突端に辿り着いて、此処が頂上だといわれた時には
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
毛布を被って芋を転がしたように寝ている体と体とが
犇
(
ひし
)
と押し合って、偃松の床からずり落ちそうになる、
其度毎
(
そのたびごと
)
にねちごち動くので誰もよくは睡れなかったらしい。三時半頃思い切って寝床を出た。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
毎
常用漢字
小2
部首:⽏
6画
“其度”で始まる語句
其度