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やおぜん
ふりがな文庫
“
八百善
(
やおぜん
)” の例文
上野の
八百善
(
やおぜん
)
へ行ったのでした。料亭も、その時始めてはいったのでした。樹が繁っていますから月はよく見えなくて、葉隠れに光が
射
(
さ
)
すだけです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
それはある日のことであったが、
八百善
(
やおぜん
)
の女将が機嫌伺いに彼の屋敷を訪ずれた時、突然彼はこんなことを訊いた。
開運の鼓
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
山
(
やま
)
の
宿
(
しゅく
)
を出ると山谷堀……越えると浅草町で江戸一番の
八百善
(
やおぜん
)
がある。その先は
重箱
(
じゅうばこ
)
、
鯰
(
なまず
)
のスッポン煮が名代で、その頃、赤い土鍋をコグ縄で結わえてぶら下げて行くと
幕末維新懐古談:12 名高かった店などの印象
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
その日には城から会場へ
往
(
ゆ
)
く。
八百善
(
やおぜん
)
、
平清
(
ひらせい
)
、
川長
(
かわちょう
)
、
青柳
(
あおやぎ
)
等の料理屋である。また吉原に会することもある。集会には
煩瑣
(
はんさ
)
な作法があった。これを礼儀といわんは美に過ぎよう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
と、
平日
(
いつも
)
は
口重
(
くちおも
)
な、横浜生れではあるが、お母さんは
山谷
(
さんや
)
の
八百善
(
やおぜん
)
の娘であるところの、
箏
(
こと
)
の名手である友達は、小さな体に
目立
(
めだた
)
ない渋いつくりでつつましく、クックッと笑った。
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
大学へ行く頃はもう、うまい物横町の中華とか、
山谷
(
さんや
)
の
八百善
(
やおぜん
)
とか、新橋の花月とか、百尺、一直、湖月、亀清、柳光亭といった一流二流の割烹屋に押し上り、やがて麻布の
興津庵
(
おきつあん
)
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうち、京都の
万里小路
(
までのこうじ
)
というお
公卿
(
くげ
)
のお姫さまの
殺手姫
(
さでひめ
)
さまというお方にお見知りをいただき、その後二度三度、
大音寺
(
だいおんじ
)
前の
田川屋
(
たがわや
)
や
三谷橋
(
さんやばし
)
の
八百善
(
やおぜん
)
などでお目にかかっておりました。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それ故大正改元のころには、
山谷
(
さんや
)
の
八百善
(
やおぜん
)
、吉原の兼子、
下谷
(
したや
)
の伊予紋、
星
(
ほし
)
ヶ
岡
(
おか
)
の
茶寮
(
さりょう
)
などいう会席茶屋では食後に果物を出すようなことはなかったが、いつともなく古式を棄てるようになった。
葛飾土産
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
八百善
(
やおぜん
)
」のなくなったことである。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
築地二丁目、
八百善
(
やおぜん
)
。
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
それに、
山谷
(
さんや
)
の
八百善
(
やおぜん
)
は妹の
家
(
うち
)
ですから——
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“八百善”の解説
八百善(やおぜん)は、江戸時代に会席料理を確立し、江戸で最も成功した料亭のひとつである。
(出典:Wikipedia)
八
常用漢字
小1
部首:⼋
2画
百
常用漢字
小1
部首:⽩
6画
善
常用漢字
小6
部首:⼝
12画
“八百”で始まる語句
八百屋
八百万
八百蔵
八百
八百長
八百松
八百膳
八百八町
八百日
八百潮