とどま)” の例文
汎米連邦からは、一人の外国人もあまさず追放されたのに、久慈は、大胆にも、ひそかにワシントンの或る場所に、とどまっていたのである。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
伊太夫の大船は、とどまり且つ進みつつ、遠近深浅に届くだけの眼と、尽せるだけの力を尽しつつ掃海作業を続けて進みました。
もしやと聞着けし車の音はやうやちかづきて、ますますとどろきて、つひ我門わがかどとどまりぬ。宮は疑無うたがひなしと思ひて起たんとする時、客はいとひたる声して物言へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
とどま足掻あがく旅の馬、土蹴る音は
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
烏啼は「あッ」と叫んで、振り向きざま手馴れたピストルを取直し、あわや引金を引こうとして、危いところで辛うじてそれを思いとどまった。
それとも、彼はオーストラリヤで戦車にのし烏賊いかられて絶命し、魂魄こんぱくなおもこの地球にとどまって大蜘蛛と化したのであるか。
しかし今回に限り三艦は、艦体を水面下に隠したまま、ただ、潜望鏡をチラチラと動かすにとどまり、水中通信機で、メッセージを交換し合ったばかりだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
竹見は、ハルクさえ味方につけておけば、あとはこの船にとどまることなんて、わけはないものとかんがえていた。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「え、気が変に? いや、それでもいいですよ、僕がこの国にとどまっていられるなら……」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
僕はやりきれなくていい加減かげんな返事をしてお茶をにごした。全くやりきれない。この世界にとどまっていたいがために、こんな苦痛をこらえているわけであるが、ずいぶん、がまんがなりかねる。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「なんとか合法的に、この国にとどまる道はないものでしょうか」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
有半日本にとどまり、淡路島あわじしまとその対岸たいがん
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)