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何村
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なにむら
それが一
枚あれば
何處の
神社へ
行つても
役に
立てゝ
居るものと
見えて
短い
文中に
讀上ぐべき
神社の
名は
書いてなくて
何郡何村何神社といふ
文字で
埋めてある。
此時七十
余の
老僧也しが、
前にいへる
何村の人の
不幸に
比れば万死に一生をえられたる
天幸といひつべし。
齢も八十余まで
无病にして文政のすゑに
遷化せられき。
これこそ
幽霊ならめとしきりに念仏しければ、
移歩ともなくまへにすゝみきたり、
細微たる
声していふやう、わらはゝ
古志郡何村(村名はもらす)の
菊と申もの也
○こゝに
何村といふ所に家内の上下十人あまりの
農人あり、
主人は五十歳ばかり
妻は四十にたらず、
世息は
二十あまり娘は十八と十五也。いづれも
孝子の
聞ありけり。