何村なにむら)” の例文
それが一まいあれば何處どこ神社じんじやつてもやくてゝるものとえてみじか文中ぶんちう讀上よみあぐべき神社じんじやいてなくて何郡なにごほり何村なにむら何神社なにじんじやといふ文字もじうづめてある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此時七十老僧らうそう也しが、まへにいへる何村なにむらの人の不幸ふかうくらぶれば万死に一生をえられたる天幸てんかうといひつべし。よはひも八十余まで无病むびやうにして文政のすゑに遷化せんげせられき。
これこそ幽霊いうれいならめとしきりに念仏しければ、移歩あゆむともなくまへにすゝみきたり、細微ほそがれたるこゑしていふやう、わらはゝ古志郡こしこほり何村なにむら(村名はもらす)のきくと申もの也
○こゝに何村なにむらといふ所に家内の上下十人あまりの農人のうにんあり、主人あるじは五十歳ばかりつまは四十にたらず、世息せがれ二十はたちあまり娘は十八と十五也。いづれも孝子かうしきこえありけり。