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人混
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ひとご
ふりがな文庫
“
人混
(
ひとご
)” の例文
なかでも、
波止場
(
はとば
)
の
人混
(
ひとご
)
みのなかで、押し
潰
(
つぶ
)
されそうになりながら、
手巾
(
ハンカチ
)
をふっている老母の姿をみたときは
目頭
(
めがしら
)
が熱くなりました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
なにかひどく
腑
(
ふ
)
に落ちかねたような顔つきで、鼻をヒクヒクさせながら、
人混
(
ひとご
)
みをかきわけるようにして、出口のほうへ歩いて行った。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
お松は、座敷の
人混
(
ひとご
)
みに上気して、ひとり誰もいない室へ来て、ホッと息をついて、
熱
(
ほて
)
る頬を押えています。と、次の間で人のささやく声
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それから、三々伍々、茶屋の者も交じって、繰り出したので、神明の
生姜祭
(
しょうがまつり
)
の
人混
(
ひとご
)
みへ交じったのは、もう夕方になっていた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ジャネットは此の
人混
(
ひとご
)
みにあおられるとすっかり田舎女の野性をむき出しにしてロアール地方の
訛
(
なま
)
りで臆面もなく、すれ違う男達の冗談に酬いた。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
私は、食事を済ますと、すぐさま
圧搾空気軌道
(
あっさくくうききどう
)
の
管
(
くだ
)
の中に入り、三分四十五秒ののちには、記念祝賀会場たるネオ極楽広場の
人混
(
ひとご
)
みの中に立っていた。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
泥
(
どろ
)
だらけの通路、押し合ってる
人混
(
ひとご
)
み、入り乱れてる車——あらゆる形の乗り物があって、古い乗合馬車、蒸汽車、電車、その他各種の機関の車——歩道の上の露店
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
もし尼の顔に覆面が掛っていたら阿Qは魅せられずに済んだろう——彼は五六年
前
(
ぜん
)
、舞台の下の
人混
(
ひとご
)
みの中で一度ある女の
股倉
(
またくら
)
に足を挟まれたが、幸いズボンを隔てていたので
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
あの
神保町
(
じんぼうちょう
)
の
人混
(
ひとご
)
みの中で見たジーナの姿だったのです……それから一週間ばかりたって、門前に
佇
(
たたず
)
んでいた、あの恨めしそうなスパセニアの顔だったのです……そうだ、もうあの時は
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
多
(
おお
)
く
人混
(
ひとご
)
みの
中
(
なか
)
に
出
(
で
)
かけるようになりました。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人混
(
ひとご
)
みにときめかぬ處女の胸
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
しばらく
唖然
(
あぜん
)
と突っ立っていたぼくは、折から身体を
押
(
お
)
して行く銀座の
人混
(
ひとご
)
みに
揉
(
もま
)
れ、段々、酔いが覚めて白々しい気持になるのでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
その姿が、
人混
(
ひとご
)
みにまぎれ消えたかと思うと、やがて、急いでゆく町駕の
垂
(
た
)
れから、お米の
裾
(
すそ
)
がはみだして見える。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新吉と二人の女とはモンマルトルの盛り場の
人混
(
ひとご
)
みへ互に肩を打当てゝ笑いさゞめきながら、なだれ込んだ。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
自身番に詰めていたもの、今の火事騒ぎで通りかかったもの、こちらへ飛んで来るから七兵衛は、紙屑買いを突き放して
人混
(
ひとご
)
みの中へ姿を隠してしまいます。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
淋
(
さび
)
しい顔立が、
人混
(
ひとご
)
みに
揉
(
も
)
まれ、船が
離
(
はな
)
れて行けば、いっそう
頼
(
たよ
)
りなげに見える、そのぼんやりした瞳に、ぼくが、テエプを抛ろうとすると、その瞳は、急に
濡
(
ぬ
)
れてみえるほど
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
こうして二人は両国の
人混
(
ひとご
)
みへ入り込んで行きました。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
混
常用漢字
小5
部首:⽔
11画
“人混”で始まる語句
人混雑
人混雜