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些
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ちっと
ふりがな文庫
“
些
(
ちっと
)” の例文
随分死の苦しみをしたであろうに、家の者はぐっすり
寝込
(
ねこ
)
んで
些
(
ちっと
)
も知らなかった。昨秋以来鼬の
難
(
なん
)
にかゝることこゝに五たびだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その心持を思い、無惨な、若い女の感情を、
些
(
ちっと
)
も労わる真心のない先生に対し、私は、いたたまれないばかりの苦痛を覚えた。
追想
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
覚悟
極
(
き
)
むればなかなかに、
些
(
ちっと
)
も騒がぬ狐が本性。
天晴
(
あっぱれ
)
なりと
称
(
たた
)
へつつ、黄金丸は牙を
反
(
そ
)
らし、やがて咽喉をぞ噬み切りける。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
「なにそン時こそ
些
(
ちっと
)
ばかし
可怪
(
おかし
)
な顔をしたッけが、半日も
経
(
た
)
てば、また平気なものさ。なンと、本田さん、ずうずうしいじゃア有りませんか!」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
双方共に立派な男だ、ケチビンタな神経衰弱野郎、
蜆貝
(
しじみがい
)
のような小さな腹で、少し大きい者に出会うと
些
(
ちっと
)
も容れることの出来ないソンナ手合では無い。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
代助は又結婚問題に話が戻ると面倒だから、時に姉さん、
些
(
ちっと
)
御願があって来たんだが、とすぐ切り出してしまった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あなたをよく思わせたのですよ、殿様はなか/\
凛々
(
りゝ
)
しいお方ですから、
貴方
(
あなた
)
と私との
間
(
なか
)
が少しでも変な様子があれば
気取
(
けど
)
られますのだが、
些
(
ちっと
)
も知れませんよ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
村に行わるゝ
自然
(
しぜん
)
の
不文律
(
ふぶんりつ
)
で、相応な
家計
(
くらし
)
を立てゝ居る者が他人の
櫟
(
くぬぎ
)
の枝一つ折っても
由々敷
(
ゆゆしい
)
咎
(
とが
)
になるが、貧しい者は
些
(
ちっと
)
やそとのものをとっても、大目に見られる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
言う通りに趣向をも少し変えて持って行くと、もう先生も仕方がない、不承々々に、是で
好
(
い
)
いと云う。なに、是で
好
(
い
)
い事は
些
(
ちっと
)
も無いのだが、先生は気が弱くて、もう然う然うは突戻し兼たのだ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
緋
(
ひ
)
の
袈裟
(
けさ
)
かけた坊さんが畑の向うを通る。中日は村の
路普請
(
みちぶしん
)
。遊び半分若者総出で、
道側
(
みちばた
)
にさし出た木の枝を伐り払ったり、
些
(
ちっと
)
ばかりの芝土を路の
真中
(
まんなか
)
に
抛
(
ほう
)
り出したり、
路壊
(
みちこわ
)
しか路普請か分からぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...